*☆＊黒の組織＊☆*黒と白のライフ。 (ページ9)

今日:6 hit、昨日:3 hit、合計:11,314 hit

買い出し日和 Part.2 ページ9

私は夕飯の事に聞きたかったが、タイミングが悪かった。
(今度こそ……！)
ぐっとタイミングを見計らう。そして…
「何か夕飯のリクエストってありますか？」
今度こそ聞けた！と私は思った。その後、謎の沈黙が流れる。
(何この沈黙……変なこと言った？！)
私がそう思っていると…
「別に何でもいいが……」
ピンポイントでのリクエストではなかった。シュウマイやカレーライス等あるのだが…
「何でもいいって…それはないですよ！例えばカレーライスとか他にあるじゃな……」
私が言おうとした事を遮る。
「てめぇが作る料理はうめぇんだよ、何でもいいから作れ」
(……………)
私は黙ってしまった。意外な事が分かったからだ。
「ここは喜ぶべきだと思うが…違うのか？」
「ち…違いません」
それを聞いたジンは怪しげな笑みを浮かべた。
「じゃあ…カレーライスを作りますね！」
「…それでいい」

その後、私は会計を済ませる。合計で4.280円で5.080円を出す。
「800円のお釣りです」
店員から800円を受け取って財布にしまう。菓子用のチョコチップを見たのか、私に聞いてきた。
「何か作るのか？」
「…秘密ですよ、後でのお楽しみですから。ほら、先に知っちゃうと面白くないでしょう？」
私がそう言うと、ジンは怪しげな笑みを浮かべた。
「…そうだな」

その日の夜。
皆が夕飯を食べている内に私は仕込みをする。「後は…焼くだけ！」
チョコチップマフィンを作っていた。後は焼くだけ。
「何を作っているのかしら？」
ベルモットがキッチンに顔を覗かせた。
(……！)
「えっと…それは……」
秘密にしていたのがベルモットにバレそうになってしまった。
「お、これは何だい？！」
次はキャンティが興味津々で、ベルモットの隣に来た。キャンティに続いてコルン、ウォッカがやって来る…
「おい、そこで何をやっている？」
片付けに来たジンが呆れたようにこちらへやって来た…
(お世話になっている仲間にあげようかと思ったのに……)
チョコチップマフィンをオーブンから取り出し、ペーパーがひいてある皿に全てあげた。
「良かったら…どうぞ」
私は皆に出来立てのチョコチップマフィンを渡した。嬉しそうにベルモットは受け取り、他の人もチョコチップマフィンを受け取った。
「美味しいわね…センスあるじゃない？」
ベルモットに言われ、私は嬉しくなった。静かになったキッチンにはチョコチップマフィンが置かれてあったのだが、誰かの手によりなくなっていた。
(……旨いな)
ジンはカウンター席に座って食べていた。一口大に取って食べると、怪しげな笑みを浮かべた…