検索窓
今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:11,320 hit

風邪薬というもの。 Part.2 ページ18

私は煙草を吸う所に驚かせた。そこでするとは思ってもいなかったのだ。
「…熱はあるのか?」
体温計で計ってみると、発熱していたことに私は気付いた。
「お粥を作ってやるからそこで待ってろ」
「料理…出来るんですか?!」
あまり料理をしない印象だったので、思わず言ってしまった。
「てめぇ、後で覚えてろ」
(………!!)
機嫌を悪くしてしまい、私はびくっと冷や汗をかいた。
それから30分ぐらいだろうか、お粥を持ってきてくれた。
「ありがとうございます……」
「おい、待て」と忠告が入るも、気付かずにお粥を食べてしまった。
(あっつ……!!)
お粥が熱いことに気付かない自分が恥ずかしかった。見苦しい姿を見せてしまったことに…
「わざわざ、忠告しようとしたのだがな…」
ため息をついて、呆れていた。その後、嫌な空気が感じられた。
(仕方ねぇな……)
私は何をしてくるのかと思った。そうしていると、ぐいっと引っ張れた。
「………!!」
口の中に含まれたお粥が隙間から移され、私は顔を赤らめるしかなかった。
「ちょっと、何してるんですか!?」
私は思わず声を上げてしまった。そのことにジンは怪しげな笑みを浮かべている。
「悪いか?てめぇが“熱い”とか言うからだ」
「そんなことしたら…風邪が移りますよ?」
私は何とか反抗してみる。こんなことやられたくはない。
「なら、風邪を移せ。治してぇんだろ?」
(………!!)
私は何も言い返せなかった。すると、鼻を鳴らし煙草の吸殻を棄てた。
(あの言葉って…こういうことなのかな?)
頭にある言葉がよぎった。
「…おい」
(……!!)
急に言われて、私は焦った。何かまたされるのだろうか。
「さっさと食え。作ってやっているんだ、残すんじゃねぇよ」
(………!!)
私はお粥に手を伸ばし、すくってお粥を食べる。もちろん、完食させた。
「…もう、行くんですか?」
言った直後、私はハッとした。何てことを言ってしまったのだろう…
怪しげな笑みを浮かべて、また戻ってきた。
「期待に応えようじゃねぇか、傍にいてやる。文句は言わせねぇぜ」
(………!!)
言わない方が良かったのだろうか。ふと、そんなことを思っていた。


次の日。
私は別室から自分の部屋へ戻った。身の回りの整理をして、朝食を作りに行く。
「熱は下がったのか…?」
ジンに言われ、熱が下がったことをもちろん言った。
「昨日は…ありがとうございました」
お礼を言うと、ジンは怪しげな笑みを浮かべた。

添える花と言葉 Part.1→←風邪薬というもの。 Part.1


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.3/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
14人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:零月 | 作成日時:2016年6月4日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。