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彼女に滴る雫 Part.3 ページ16

私は入ろうとするジンを止めようと力いっぱいドアを閉めようとした。
「A…?帰ってきたの?」
ベルモットは声を掛けてみるが、返事はなかった…
(まだ帰って来てないのかしら……?)

同時刻。
(あれ……止めたのかな?)
力が込められてくるのがピタリと止まったからだ。私は不審に思っていたが、警戒は強める一方だ。

ガタン!

(………!!)
その隙をついてジンがやって来た。私は慌ててタオルで胸元を覆う。見られないように鏡がないところでした。
「えっと……その……」
背後からの殺気がすさまじく、私はどうすることも出来なかった。
「…おい」
(ひぇえええぇ!!)
急に言われて私はびくっと驚いた。
「突っ立ってねぇでてめぇも入れ」
既にお湯に浸かっていた。いつの間に移動していたのだろうか。
「は、はい……」
私は恐る恐るお湯に浸かった。あまり目を合わせたくない為、背を向けた。
(どうしよう……何て言えば……)
後ろから殺気が溢れることに気付いているが、何を話したらいいのだろうか。
「………!?」
胸元に巻いてあるタオルにジンが手を掛けていたからだ。
「…何してるんですか!?」
私は慌てて巻いてあるタオルを手で抑えた。
「それを脱げ、嫌なら脱がさせてやる」
「それは…止めて下さいよ!」
「…冗談だ。するわけねぇだろ、てめぇは俺のもんだからな」
「冗談に聞こえませんっ!」
思わず振り返ってそう言うと、目が合ってしまった。
「その顔も悪くねぇな…」
すっと手が伸び、私に触れようとした。その手で私は引き寄せられてしまう。
(………!!)
目線があるところに行っていた。
「やっぱり…そうじゃないですか!冗談といって……」
「見ていねぇよ、冗談だと言った筈だぜ?」
怪しげな笑みを浮かべて、そう言ってるが私にはあまり思えなかった。
「…見てましたよね?!」
「さぁな…」
フンと鼻を鳴らして、視線を変える。私には到底信じていなかった。
確実に見ていることを……

(見られてた……絶対にそうだ……)

私はそのことに言葉を失ってしまった。引き寄せられた体勢は続いており、どうすることも出来ない。
すっと手の位置が変わり、口元に変わった。誰かの声が聞こえてきていた。
「何処に行ったのかしらね!全く……」
この声はベルモットだ。厄介な人と思っているのだろう。
(ベルモットに見つかったらしまいだがな…)

ガタン!

ドアが開かされ、ベルモットがやって来た。
「貴方って人は!何で、Aといるのよ?」
ベルモットの怒りは上がっていく一方だった…その怒りは収まらない。夜までは…

風邪薬というもの。 Part.1→←彼女に滴る雫 Part.2


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作者名:零月 | 作成日時:2016年6月4日 19時

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