漆黒の境界線act.Ⅲ (ページ27)

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Episode19-2 ページ27

(………！！)

「琉奈……！」
目映い光の中に成宮さくらと藤宮琉奈がいた。死神の力は使い果たしてはいなく、まだ残っている。
「分かってるさ…でも、嫌なんだよ。ゴメンね」
藤宮琉奈の身体が目映い光に溶け込んでいく。

(…………！！)

成宮さくらは視界が真っ白になった。藤宮琉奈の姿が見えなくなり、記憶が一瞬途切れた。

ピカァァ…！

目映い光は東都臨海水族園を包む。他の人たちも記憶が一瞬途切れたような間隔を感じられるようにした。

何もない世界。
私はいつの間にかその世界にいた。いたと言うより、佇んでいるといった方が良いかもしれない。

カツン……

そこに誰かの足音が聞こえてきた。その音は頭にも響いてくる。
「あっ……」
私は思わず声を漏らしてしまった。目の前には長い銀髪の男性がいた。

そうだ…私は………
運命の色は黒に染まる筈なのに…それを止めてしまった…

「こんな所で終わるなんて…ようやく私も居場所を見つけたってのに…」

私は背を向けて顔を見られないようにした。知られたくない、この気持ち。

「これでいいんだよ……私は誰のものでもなくなる。私はね……」

すると、銀髪の男性は一歩ずつ近付いてきた。ほんの少し殺気が感じられた。
「……消えるのか？」
その声は懐かしく思えてきた。

「分からない……けど、きっとどこかで会えると思うかな？」

そこでその世界は消え、包んでいた光から一筋の光が空へ放たれる。

(…………！！)

夜が明けて、米花警視庁の方々がやって来た。佐藤美和子、高木渉といった見掛ける人たち。
「蘭がぁ～……！」
鈴木園子は毛利蘭を探すように刑事たちに言い放った。
「分かったから、待ってて」
駐車場にはFBI、公安とメンバーが集まってきた。江戸川コナンは三日月と星のストラップを見ていた。
(俺は一体……何をしてきたんだろう)

それから数日後。
現世、尸魂界、本丸で平和な日々が取り戻しつつあった。
その中でも現世の米花町ではある人物が歩いていた。藤宮琉奈だ。

(私は……何故ここに……)

誤って自分の記憶を混乱させてしまっていたのだ。激しい頭痛に耐えながらも、足を止めずに歩く。

米花町・廃工場。
「………………」
目が疲れているのだろうか、視界がぼやけ始めた。一瞬目を疑ったが、間違いなく異変が起きていることに気付く。
「兄貴…何処へ………」
急に立ち上がったジンにウォッカは不思議に思っていた。
「案ずるな、ウォッカてめぇはそこで待っていろ」
車から降りて、何処かへ行ってしまった