漆黒の境界線act.Ⅲ (ページ26)

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Episode19-1 ページ26

東都臨海水族園は闇に包まれ、光は一切もない。江戸川コナンたちは光がなく反撃が出来ずにいた。
そんな中、江戸川コナンの友人である服部平次は京都で3年前の大規模な事件について調べていた。
「工藤の奴…ったく俺にも調べさせるとは……」
図書館で資料を集め、机に資料が重ねられていた。量は比較的少なく、50分程度で終わりそうな量だった。
(藤宮琉奈についても調べないとな…その藤宮琉奈ちゅう人は確か組織に絡んでる…と聞いたが)
長時間座っていると、足腰がしびれてくる。座ってからあまり経っていなく、それほどしびれていない。
「あまり情報はなし……か」
有力な情報は得られなかったが、服部平次は何者かが図書館に入った人物が気になっていた。目立った行動はしていない。
(誰や……？)

東都臨海水族園・上空。
黒いヘリコプターから銃弾が放たれ、止まる気配は感じられなかった。江戸川コナンは歯を食い縛って焦っていた。
(………！！)
物陰に隠れて、銃弾から避けていた。赤井秀一、安室透、灰原哀も影に隠れている。
「どうするか……」

(ここは私が動くべきだよね…)

ヘリコプターの後座席にいた藤宮琉奈は手を握っていた。思いが決まったのか、立ち上がって扉を開く。
「兄貴…勝手に扉が開きやした！」
ウォッカがいち早くそれに気付いた。開いた扉から強風が吹き込んでくる。
「……！？」
前座席から離れ、コルンに交代する。もう、行った時には藤宮琉奈の姿がなかった。
(ムーンライト……！)

藤宮琉奈は死神化して、斬魄刀に手を掛ける。その姿を見たのか、成宮さくらは瞬歩で駆け寄った。

初めての現世。

そこで、黒の組織と出会った。数々の人々、ショッピングモールで買いものをする親子。

「……こんなに楽しくて」

脳裏に様々な記憶が思い浮かんでくる。楽しいこともあれば、辛いことだってある。

「もう、嫌なんだ。私の為にお互い傷つけ合うの…」

一筋の涙がほろりと垂れる。その思いが伝わったのか成宮さくらはあまり言わなかった。
(琉奈……)
藤宮琉奈は斬魄刀を始解をしようとした。始解をする藤宮琉奈に成宮さくらは驚いた。

斬魄刀“白蘭”は記憶を混乱させる能力を持つのだ。それだけではなく、上手く行けば記憶を刈り取ることも出来なくもない。

それを知っている成宮さくらは止めようとした。
だが、今の藤宮琉奈には届かない。

「お願い……だから！」

泣きながらも藤宮琉奈は始解をする。すると、目映い光が放たれたのだった…