漆黒の境界線act.Ⅲ (ページ19)

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Episode17-2 ページ19

「私は貴方たちのやり方が気に入らないんだよ、勝手に物事を決めつけてさ…」
四楓院夜一は退くように言うが、成宮さくらは全く聞かなかった。それに対して、阿散井恋次はイライラしてきていた。
(この野郎……！)
怒りで手が震えている。かなりきているようだった。
「貴方たちがしていることが藤宮琉奈の為って言えるか？！間違ってるとは思わないのか！」

「「………！！」」

阿散井恋次と四楓院夜一は歯を食い縛った。何も言い返せなかったらしく、なかなか行動には出せなかった。
「藤宮琉奈の為になることを考えっての！」
成宮さくらが叫ぶと、阿散井恋次は我に帰った。そして斬魄刀を持って振り掛かった。
「何言ってやがる！」
(戦いたくないんだけど…力尽くで分からせるとするか！)
成宮さくらの霊圧が上がり、その霊圧で阿散井恋次は吹き飛ばされる。成宮さくらの霊圧に圧倒されていた。
「これは……！」

同時刻。
(この霊圧…さくらちゃんの霊圧！)
藤宮琉奈は察していた。成宮さくらの霊圧と分かると、何故か嬉しく感じた。助けてもらっていることに気付いたのだ。

(助けてもらっているだけには行きたくない……)

ヘリコプターの扉を開け、藤宮琉奈は見下ろした。強風が髪を揺らせる。
それを真っ先にウォッカがパソコンで映された画面で気付く。気付いた時には飛び降り様としていた。
「…何をしている？」
背後から銃口を向けられ、飛び降りるのを止めた。背中に冷や汗が流れる。
(どうしよう…もしかしたら抹殺されるかもしれないし)
頭には嫌な感じが考えられた。逃げられたら抹殺されるかもしれないと思っていたのだ。
「…行くんじゃねぇよ、お前が知らなくてもお前は俺のものだ」

(……！！)

向けられた銃がなくなり、背後から抱き締められた。まさかの出来事に私は頭が真っ白になってしまった。
「その気持ちは嬉しいですが……行かなくてはいけないんです。他の人に任せ続ける訳には…」
抱き締められた腕を離そうとしたが、そう簡単にはいかなかった。赤井秀一が言う通り、手離すことは許されない。
「分からねぇのか？“アレ”を渡した意味をな…」
ジンが言う“アレ”とは江戸川コナンが持つ三日月と星のストラップに違いなかった。

(……！！)

私の中にある光が反応した。知りたくなかったことを知ったからだ。気に入られていること、そして…自分の中にある望み通りに生きること。
(何で…分からなかったのだろう。馬鹿だな、私って……)
私にも分からなかったが、自分の中にある気持ちを閉ざしていたことに気付いたのだ。