漆黒の境界線act.Ⅲ (ページ18)

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Episode17-1 ページ18

「何か持っていないか？」
赤井秀一は江戸川コナンに所持している物を把握したかったのか聞いてみた。いつも愛用している阿笠博士の発明品、そして3年前藤宮琉奈が忘れていたストラップ。
「このストラップ…何か書かれているような凹凸があるんだ」
三日月と星のストラップ。裏に何やら凸凹があるらしく、それを赤井秀一にも見せていた。
(MoonLight…藤宮琉奈のコードネームだ)
裏にはそう書かれてあった。ムーンライトを英語に書き換えた文字で、赤井秀一は閃いた。
「珍しいこともあるのだな…宿敵(こいびと)さんは……」
(えっ…？！)
江戸川コナンは驚いた。赤井秀一が言う宿敵(こいびと)はジンで、このストラップをあげた本人。
「これを藤宮琉奈にあげたということは…相当気に入られているようだな。しかも、これは厄介になりそうだ」
三日月と星のストラップを江戸川コナンに渡す。江戸川コナンはぽかんと口を開けていた。
「長年、組織にいたのだが…宿敵(こいびと)さんが気に入る人が現れたなら…その藤宮琉奈に何かあったら容赦はしないと言うわけだ。彼はそういう人だ」
(………？！)

「そう簡単には手離さない…いや、離すことはない。…と考えた方が良さそうだ。かなり厄介なことだ」

その頃の安室透と宮野志保は毛利蘭を探したいところだが、探し終わった体力で戦えないことから合流することを優先していた。
「もう、撃ってこないのかしら……」
宮野志保は歩きながら呟いた。撃ってくる気配はなく、静けさに包まれていた。
「一時的なものだろう、油断は禁物だ」
気を引き締めて安室透は足を動かした。
(そう…ね……)

「さて…総隊長からの命令でやって来たが……」

四楓院夜一はぽつりと呟いた。総隊長からの命令で現世にやって来たという。
「夜一さん…！」
そこへ瞬歩で阿散井恋次がやって来た。
「裏切りは許さないことから藤宮琉奈を斬る…とのことだ」
(………！？)
阿散井恋次は驚きのあまり声が出なかった。成宮さくらは霊圧で聞いていた。
「琉奈……」
手を握って壁に叩きつけた。やり方が気に入らなく、怒りを覚えていた。

(望み通りに生きて欲しいってのに…総隊長はそれを知らないで！私は許さない…こんなやり方間違ってる！)

意を決して成宮さくらは瞬歩でその場を去った。藤宮琉奈のところへ行く死神たちの前に歩み出た。
「またお前か、成宮！」
阿散井恋次が叫ぶと、日番谷冬獅師はハッとした。嫌な予感がしていたが、松本卵菊と一緒に阿散井恋次のところへ向かった。