漆黒の境界線act.Ⅲ (ページ14)

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Episode16-1 ページ14

灰原哀はある薬を飲み、身体に変化が訪れた。江戸川コナンにも上げていた薬で一時的に元の身体に戻す薬。灰原哀はそれを飲み、元の身体を取り戻す。
(私の為に…身体を張ってまで戦うなんて…)
そう思いながらも毛利蘭を背負って歩き出した。服は通行人が置いていった服を借りている。
「新…一……」
毛利蘭はそう呟いていた。工藤新一を想っているのか、口に出していた。
(安心して、工藤君も無事だから)

その上空に黒いヘリコプターが飛んでいた。キャンティとコルンが操縦している。隣にはウォッカがおり、パソコンで探っていた。
(ベルモットが言っていた言葉……)
藤宮琉奈は以前、ベルモットが言っていた言葉が気になっていた。迎い撃つまで待機していた時のこと。

『気に入られているんだよ、貴方は。相変わらず鈍感ね、そういうの嫌いじゃないわ』

(どういう意味で…言っているのかな？“気に入られている”って一体…)
私はいつの間にか気に入られていることを考えてしまっていた。遂には、それを探るべく記憶を思い出してみる。

「ちょっと休みなさい、疲れてるでしょ？」
ベルモットは椅子に腰を掛けた。カウンター席に座り、カクテルを頼む。
「じゃあ…そうしようかな」
ここ数日間疲れているので、言葉に甘えて私も休むことにした。アルコールがないカクテルを頼んだ。この時はまだ未成年なのだ。
「堅苦しくなくて大丈夫よ、普通にしてくれても」
「でも…年上だしっ！」
また堅苦しく言ってしまった。年上に対してあまり砕けたくなかった。

翌日。
任務が下された、ある人の抹殺で目標(ターゲット)は佐々木楓、通称スカーレット。彼女は情報処理を得意とし、将来黒の組織と敵対すると予想した人物の監視、調査をしていた。だが、身元がバレそうになったことがキッカケで抹殺することになった。
「…行けそう？」
ベルモットは心配そうに言った。支度を整えて、私は部屋から出て行こうとした。
「一人じゃ心配だから、私も行くわ」
(……？！)
そんなかんだで私はベルモットと一緒にすることとなった。佐々木楓は海外にいるらしく、空港で行かなければならない。
「大丈夫なんですか…？」
ちょっと心配で声を掛けてみた。「何？」と言われ、私は言うのを止めておいた。

ボスンッ

誰かとぶつかり、私は慌てて大丈夫かと聞いてみる。
「ごめんなさい、お姉さん」
江戸川コナンとその友達がぶつかってきたのだ。灰原は顔を見開いて、拒絶しそうになっていた。
(……！！)