漆黒の境界線act.Ⅲ (ページ13)

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Episode15-4 ページ13

夢を見ていたにしても、リアルで恐ろしかった。自分が意識が途絶えた後の記憶があったことに不思議に思っていた。
(見えていない所は斬魄刀の視点からの所なんだった…)
黒の組織に再び入ってからこんな夢を見るのだろうか。
「やっと起きたか…」
私の隣にジンがいることに気付いた。疲れ気味なのか、うっかり寝てしまったことに私は慌ててしまった。
「…どうした？」
急に聞かれて私は慌てて否定した。何かを察しているようなのだが、あまり口には出さなかった。
先頭にはキャンティとコルンが操縦しながらも、標的(ターゲット)に銃を撃っている。二人の隣にはウォッカがいた。

「逃げるんじゃないよ！」

容赦なくキャンティとコルンは撃っていく。破壊された破片が江戸川コナンたちを襲う。それだけではなく、銃弾が迫ってきていた。
「灰原！」
水と共に灰原は流され、手を伸ばした。手が届かず、灰原は江戸川コナンと離れてしまう。
ズドンッと破片が水に落ち、その衝撃で灰原哀は水に飲まれる。
「灰原ーっ！」

(はぁぁっ！)

水の中で息が続かず、灰原哀は口を開けてしまう。そこに水が入ってしまい、沈んでしまう。
(哀ちゃん！)
そこへ毛利蘭が駆け付けて、灰原哀を助ける。

(助けるから、待っててね！)

急いで毛利蘭は灰原哀へと向かうのだった。江戸川コナンは毛利蘭が来ていることに気付いてはいなかった。
毛利蘭は必死に泳いで、灰原哀を水面上に上がらせた。
「……っ！」
息が上がるのと同時で何とか助け出すことが出来た。そして、安全な場所へと移す。
(哀ちゃん！)
毛利蘭は大量に飲んだ水を吐き出すように背中を軽く叩いた。
「蘭姉さん…？！何でっ…けほっ」
咳をしながら灰原哀は離れるように言い聞かせたが、毛利蘭はそれを拒否した。
「もう、こんなことに巻き込まれないで！」
(……！)

「標的に邪魔が入ったわよ、どうするのってのよ？！」
キャンティはシェリーを守るようにいる毛利蘭に腹を立てていた。
「キャンティ、気にするな。そいつも殺れ」
「了解！」
灰原哀と毛利蘭に銃弾が放たれ、毛利蘭が庇う。「止めて！」と注意するが毛利蘭は全く聞かない。
「うぅ……！」
血が流れ、起きる事も困難になってしまった。それを見た灰原哀は何とかしてあげたかった。
(この身体では…)
ポケットからある薬を出す。江戸川コナンにもあげておいた薬だ。
「……！！」
水をと一緒に薬を飲み、激しい痛みが全身に走る。それを耐えるに耐えるがそれも限界だった…
「あぁあああっ！！」
痛みに耐えられず絶叫してしまった。そして、身体に変化が現れる…