漆黒の境界線act.Ⅲ (ページ12)

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Episode15-3 ページ12

斬魄刀を持っていない私には不利だ。だが、鬼道は使える。
「破道の三十一、赤火砲！」
わざと地面に当たらせ、目眩ましにならないか試してみた。その隙に私は走ってその場から逃げるが、銃弾が足元に放たれ私は足を止めた。
「逃がさねぇよ、この状況で逃げれるとでも思っているのか？」
(……！！)
双方から問い詰められてしまい、私は一歩も動けることが出来ずにいた。
(時間の無駄だな…アレを使うか…)
銃口を腹へ向け、怪しげな笑みを浮かべながら引き金を引いた。私の眼には愉しそうな感じが感じられた。
「…兄貴！？」

(え…動かない？！)

思うように身体が動かない状態が始まろうとしていた。このままでは連れていかれることになってしまう。
「銃弾に麻酔を忍ばせておいた、20分後お前は動けないだろう」
麻酔が全身に回ってきつつあった。20分後には私がどうなるかも目処はついていた。
「その前に倒して逃げる方法もあるけど…」
振り絞って霊圧を上げようと試みた。麻酔が効いている所為か上手く霊圧が上がらない。
「この状況で戦うというのか…面白ぇ」
まずは撃たれた所を治すことに決めた。霊力を集め、傷を治していく。
(治しただけで…こんなに削られるとは……)
霊圧が下がってしまい、上げることは困難になってしまった。
(私は…もう終わりなの…か…)
麻酔が更に効いていき、身体が動かなくなってしまった。思うように身体が動かず、何も出来なかった。
そして、意識が途絶えた。
「このことはあのお方に…」
ウォッカは一応許可を取っているのかと聞いた。すると、意外な返答が来た。
「あのお方の許可は既に取っている、それにあのお方の命令だ」
「命令…ですか？」
ウォッカは聞き返した。既に許可を取っていること、そしてあのお方からの命令という事に不審を抱いていた。
「そうだ、あのお方直々の命令。『どんな手を使ってでも手に入れろ』とな」
藤宮琉奈を抱えて、車を止めてある場所へと向かう。
「でも、何故…あのお方がそんな命令を？」
車が止めてある場所へ向かう途中、ウォッカは聞いた。
「さぁな…」

「琉奈を離しなさい！」

成宮さくらは藤宮琉奈の霊圧を追いかけてやって来た。海辺の工場で途切れていたのだが微かな霊圧を頼りに歩いていくと、黒の組織と会う。
「そいつは出来ねぇ相談だ、命令は確かなものでな」
藤宮琉奈を抱えながらも、銃を向けた。成宮さくらは死神化しようとした時、銃弾を放った。

(……！！)

目が覚めると、私は横たわっていた。