漆黒の境界線act.Ⅲ (ページ1)

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Episode13-1 ページ1

江戸川コナン、灰原哀は無事に爆弾を解除してくれることを願っていた。その爆弾は遠隔操作で爆破する為、気付かれないように解除しなくてはいけない。
(暗くて分からないな…せめて明かりが欲しいものだ)
電気が通らず暗闇の中、解除することは困難。無闇に明かりを付けて、バレてしまうと厄介だ。

(どうするんだ…ここから！)

江戸川コナンはひたすら待つことしか出来なかった。下手に動けばバレて殺られてしまうかもしれないのだ。
「江戸川君……」
灰原哀はぽつりと呟いた。

「この俺が深傷を負うとは……」
和泉守兼定は脇腹に手を当てて立ち上がった。体力は少ないが、刀を振るうほどの力はない。
(まだ…やれるかもしれないが、この身体では無意味だ)
身体がふらついているが、歩いて壁際に寄り掛かる。
「おい、逃げるのかよ……」
振り絞って声を出した。すると、ジンは足を止めた。
私は何もしないで時間が過ぎていくのを待つだけだった。ただ、見ているだけ。
「ムーンライト、殺れ」
急に指示を出されて私は驚いた。少しためらったが、指示は従わないといけない。
「主…止めっ……！」
和泉守兼定は止めようとしたが、主は手を止めようとはしなかった。まるで、別人のように和泉守兼定の目にはそう映っていた。
「指示は絶対的なものでね…相手が誰であろうとも…」

ザシュッ！

和泉守兼定は血を流し、動く力はなかった。その光景を目の当たりにした江戸川コナンと灰原哀は絶句していた。
(嘘…だろ……？！)
江戸川コナンは驚きを隠せなかった。安室透も分かっていたようで声を掛ける言葉がなく言えなかった…

(もう会えることはないでしょうね……)

藤宮琉奈は斬魄刀をしまい、和泉守兼定に背を向けた。そして、私は見失わないように後を追った。

その上空に死神たちの姿があった。たったの数名で東都臨海水族園からの霊圧を辿っていた。
「霊圧が途切れた…どういうことだ？」
日番谷冬獅師が呟くと、松本乱菊は真剣に考えていた。他にも朽木白哉、阿散井恋次がいる。
「取り合えず、探しましょう。ここにいても、時間の無駄です」
松本乱菊に言われ、阿散井恋次は瞬歩でその場から去った。続いて、朽木白哉と日番谷冬獅師、松本乱菊も各地に散らばった。
「藤宮の奴…どういう訳だ？！」

日番谷冬獅師は移動しながらも思っていたことを口にしていた。成宮さくらとの関係についても気になっていた。
(成宮もそうだし…なかなか言ってくれない。何か理由でもあるに違いないな)