漆黒の境界線 act.Ⅱ (ページ9)

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Episode9-1 ページ9

米花町・米花警視庁。
そこにある情報が届いた。明石薫が何者に殺害されたとのこと。それを受けたのは高木刑事だった…
「この人は……」
写真を張られてあるホワイトボードを見た佐藤刑事はあることを思い出した。それは組織に潜入していた…と。

「すみませんが、それは私たち公安が捜査します」

そこへやって来たのは風見だった。安室透に指示されて、やって来たという。
「何か…理由でもあるのかね？」

同時刻。
「おい、松本はどうした？」
一緒にいた筈の松本乱菊の姿がさっきから見当たらなかったのだった。何処へ行ったのやら…
「隊長、少しくらいは許してやってくれねぇか？」
阿散井恋次は少しくらい現世を楽しんでも良いではと思っていた。任務だけでは嫌なのだろう。
「しょーがねぇな…ったく」
すると、日番谷冬獅師の視界に少年探偵団の姿が入った。以前、藤宮琉奈について聞いてきた子供たちだった。

「サッカーはやっぱり楽しいぜ！」
ボールを蹴って進んでいた。その先には光彦がいる。
(あれ？コナン君は…？)
ピタリと足を止めて江戸川コナンがいないことに気付いた。そして辺りを見渡している。
「どうしたんですか、歩美ちゃん？」
不思議に思っていた光彦は気に掛けていた。気に掛けるのも当然のことだ。
「コナン君がいないの…さっきまでいたのに」
しょんぼりしていた歩美はさっきからうろついていた。江戸川コナンを探しているようだった。
「そうですね……」

その頃の江戸川コナンは灰原哀と一緒にいた。考え事しながら米花町を歩いていた。
「で、明石薫が殺害した事件は何か分かったの？」
警視庁で話題になっている事件に悩まされていた。毛利小五郎に付けた盗聴機を通じて聞いていたのだ。
「公安が調査するなって言うから…まさか……」
「もしかすると黒の組織がやったのかもしれないね。あくまでも私の仮説だけど…その明石薫っては公安で黒の組織に潜入していたから殺られるにしても不思議じゃないわ。バレたら即殺されるしね」
灰原哀の仮説は正しかった。明石薫のコードネームは“ギムレット”なのだ。
「もしかしたら……安室さんや赤井さんも狙われるかもしれないわね。バレたらの場合だけど…」
(そう…だな……)

ザァアァ……！！

突然強風が吹き荒れ、しかも向かい風。
「何なのよ…急に！」
目をこすり、前方を見てみると…

(……？！)