漆黒の境界線 act.Ⅱ (ページ7)

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Episode8-3 ページ7

30分後。
「これは…どういうことだ」
驚きのあまり声が震えていた。日記が記されてあったのだ。それは殆んど黒の組織に関連している日記だった。
「どういうこと…？」
灰原は日記がどういう意味を差しているのか聞いてみた。返事はなく、どうやら困っているらしい。
「これを藤宮琉奈が持っていた…ということは藤宮琉奈の記憶を思い出させることなのかしら？」
あくまでも仮説を言ったはずだが、江戸川コナンは「それだ！」と大きな声で言った。
「記憶を思い出させてから…組織に戻させるという仕組みだ。そうすればつじつまが合う。記憶がないと何を言っているのか分からねぇからな」
メモリーカードを抜こうとした時、灰原の鋭い声で抜くのを止めた。最後の日記でおかしいところがあったらしいのか？
「最後の日記で途切れてるわ…ほらここ」
指を差した方に何かの台詞の一部分がなかった。打ちミスと思うが灰原は違うと思っていた。
「あまり気にすんなよ、打ちミスかもしれないぞ」

(コナン君、本当にそう思ってるの？)

米花町・提無津川。
「なかなか情報はありませんでしたね…」
光彦はため息をついた。本日の収穫はメモリーカードしかなかったのだ。残された体力は少なく、歩くのも辛くなっていた。
「あ、すみませんー！」
歩美はオレンジ色の髪をした女性に聞いてみる。隣には銀髪の少年と黒髪の女性がいた。
「藤宮琉奈って人…知りませんか？」
光彦、元太は慌てて歩美の所へ駆けつけた。

「その人は何処にいるの？！」

オレンジ色の髪をした女性に言われて、困ってしまった。次は銀髪の少年から「その人の知り合いか？」と聞かれてしまう。
(えっと……)
歩美は困ってしまい、俯いてしまった。
「その藤宮琉奈って人は何で探しているんですか？」
逆に光彦は聞いてみる。だが、返事はこなかった。よほどの事情があるに違いないと元太は思っていた。
「…松本」
日番谷冬獅師に言われて、「どうかしましたか？」と松本乱菊は聞いた。子供に聞いても分からないとのことを受けて、その場を去っていった。
「行っちゃったね……」