漆黒の境界線 act.Ⅱ (ページ5)

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Episode8-1 ページ5

尸・魂界。
帰還した朽木白哉、阿散井恋次、日番谷冬獅師は各地で仕事をこなしていた。ただ、朽木白哉だけは“藤宮琉奈”のことで悩まされていた。
「何故、零番隊には戻らぬ……？」
疑問に思っていたことがふと口に出していた。

一方、米花町の警視庁では江戸川コナンの話で弾んでいた。
「その藤宮琉奈って人が3年前の大規模な事件で死んだとされている…と？」
佐藤刑事は改めて江戸川コナンに確認した。3年前の大規模な事件について江戸川コナンは知っていることだけ話す。
「その事件についてあまり情報が来ませんでしたね…何があったに違いない」
目暮警部が言うと、佐藤刑事と高木刑事は頷いた。何かが動き出していることを思っていた。その何かが江戸川コナンには分かっていた。

それは“黒の組織”だ。

「あの～…、コナン君」
高木刑事に名前を言われて、振り返った。「藤宮琉奈って人は何処にいるんだい？」と聞いた。直接聞いてみるというのか？
「知らないよ、多分……」
(多分……？)
高木刑事は江戸川コナンが言う“多分”に悩まされていた。言えないことでもあるのだろう。
「取り合えず、3年前の事件というのを調査しないといかんな。毛利君も、その調査に手伝ってくれ」
「…分かりました！」
江戸川コナンは視界に佐藤刑事の足元が入った。膨らんでいるように見えた。中に入っているのだろうか。
(……！)
佐藤刑事はその場からスッと気付かれないように去っていった。高木刑事は後からいないことに気付いた。
「…しまった！」
ハッとした江戸川コナンは走って追い掛けた。「おい、小僧！」と毛利小五郎に言われるもそれを無視して追い掛ける。
(全く……コナンの奴は……)

警視庁・地下駐車場。
「警視庁も動き出したそうよ」
携帯電話を通じて連絡を取っていた。相手先はジンだった。
『…了解した』

ダダダッ…

誰かの足元が聞こえ、ベルモットは物陰に隠れた。悪態をつく江戸川コナンに不敵な笑みを浮かべる。
「何処に行きやがった…！」
眼鏡を使って追跡するも見当たらない。背を向けている江戸川コナンを狙って車に入り、電源を付けた。
(まさか……！)
ズームアップして追跡すると、ベルモットの姿があった。
「聞かれてたか……くそっ！」

同時刻。
「おはよう、蘭！」
走って鈴木園子が駆けつけて来た。他の人も登校の途中で、どうやら学校だ。
鈴木園子と一緒に帝丹高校へ登校。クラスに入り、席につくと先生が入ってきた。
「転入生を紹介する。入ってきたまえ」