漆黒の境界線 act.Ⅱ (ページ24)

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Episode12-4 ページ24

「さて…始めましょうか」
通話を途切れさせた側は人手が少ない所にいた。第1幕が終わり、第2幕へ移る。
怪しげな笑みを浮かべて、ボタンを押した。電気が途絶え、辺りは闇に包まれた。電気が通らず、トイレにいた大倶利伽羅は驚いていた。
(……！？)
大倶利伽羅は何事かと思っていた。

「…行くぞ」
先へ行ってしまい、見失わないように私は後をついていく。暗くて分からないが、うっすら見える。

「待ちやがれ！」

背後から声が聞こえ、私には聞き覚えがあるような気がした。気がしたといっても…記憶の隅にあるような感じだ。
「目端だけはつくようだな…」
カチャリと銃を和泉守兼定に向ける。前にも同じような光景を見ているようだ。
「そいつに何を吹き込んだが知らねぇが、俺は許さねぇ！」

ダンッ！

銃声が館内に響き、それは江戸川コナンたちにも聞こえていた。
(まさか…彼奴らか？！)
走って元来た道を辿り始める。
「ちょっと工藤君？！」
突然、走り出した江戸川コナンに驚いた。

「何故、撃たない？」
和泉守兼定は不審を抱いていた。自分が撃たれると思っていたが、それが違っていたからだ。
「時間を与えてやっている、有り難く思え」
また銃を和泉守兼定に向ける。刀を握り直して、どうするか考えていた。
「だが、次はないと思え」
(……！！)
和泉守兼定は焦った。次はないということは今度は撃たれるということになる。
「10カウントしてやる、最後の別れを言うんだな」
そして10秒のカウントが始まった…

(どうすることも…出来ねぇ！主を守りきれねぇで…ここで終わるとは……！)

和泉守兼定はとっさに主へ走って逃げることを思い付いた。その時点から半分は経っていた…
怪しげな笑みを浮かべて、引き金を引いた。
「…ゼロ」

ダンッ！

館内に響き渡り、江戸川コナンは驚いた。江戸川コナンを追い掛けた灰原哀も驚いている。
「嘘…だろ？！」
灰原哀も驚きのあまり絶句していた。江戸川コナンは気を引き締めて銃声が聞こえた水族園エントランスへ向かう。
(発砲者は…ジン？！)
追跡眼鏡で使って2階のエントランスから見ていた。かくれながらも見ていると、藤宮琉奈の姿と和泉守兼定の姿が見えた。
「工藤君……っ！」
聞こえないように小さな声で灰原哀は取り付けられてある爆弾を差した。近くへ安室透が寄ってきて解除するように頼んだ。
「出来そう…？」
「時間がかかりそうだけど…やってみるよ」
安室透は爆弾の解除に集中した。江戸川コナンと灰原哀はどうしようかと考えていた。
(どうすれば…いいんだ！)