漆黒の境界線 act.Ⅱ (ページ21)

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Episode12-1 ページ21

現世にある霊圧が空から放たれた。それを感じていた藤宮琉奈は嫌な予感しかしなかった。その予感は的中することになる。
「工藤君、爆弾って……」
一緒に館内を駆け回っている灰原哀は少しだが息が乱れていた。爆弾の数を聞くと、数えきれない程の数とのこと。
「これって………」
灰原哀は何者かの気配を感じて恐れていた。江戸川コナンは灰原哀の様子がおかしいと思い、灰原哀に聞いてみる。
「あそこよ……」と指を差した方向に長い銀髪の男性がいたのだ。それは紛れもなくジンだった。

「ちょっ…何故、彼奴がいるんだよ？！」

思わず声を上げてしまった。聞かれていると思ったが、届いていないことを確認するとホッとした。
「知らないわよっ、私に聞かないで。こっちこそ、知りたいわよ」
二人はその場で去ってくれることを願っていた。足を止めたジンに江戸川コナンは追跡眼鏡で何をしているのか様子を見ていた。
(誰かと話して…いる？)
そんなような感じを受けていた。灰原哀は「戻るわよ」と連れ戻そうとするが、江戸川コナンはなかなか戻ろうとはしない。
「ちょっと工藤君！自分から危険な行為に突っ込むの止めてよ、私だって巻き込まれるのよ？！私たちだけではない、子供達まで…！」
灰原哀はどうしても江戸川コナンをここから離したいと思っていた。だが、江戸川コナンは違って黒の組織の様子を見て行動しようと思っていた。
「彼奴はこちらには気付いていない…大丈夫だ。それに、彼奴は誰かを探しているようだ」
追跡眼鏡で調べているのを止めた。そして、灰原哀と向かい合う。
「誰かって…まさか！」
灰原哀は江戸川コナンが言う“誰か”を勘づいていた。きっと、藤宮琉奈のことだろう。
「藤宮琉奈の奪還…といったところか。藤宮琉奈は何処に……」
江戸川コナンと灰原哀は階段を上って館内に再び入った。追跡眼鏡を使いながら、藤宮琉奈を探すことに。

(コナン君…)

従業員になりすました安室透は江戸川コナンと灰原哀の様子を見ていた。帽子を被り直してその場を去っていった。
「………」
安室透は角を曲がり、赤井秀一とすれ違った。赤井秀一は何かを察したようで歩き出す。
(どうやら…そろそろ動く時かな)

同時刻。
「あれ、哀ちゃんとコナン君がいないぜ」
元太が気付いた途端、歩美は灰原哀と江戸川コナンを探し出した。光彦も心配のようで歩美と一緒に探し出す。
「二人は大丈夫じゃよ、気にするんじゃない」
「でも…」と歩美は灰原哀と江戸川コナンを探したい一心だった。それは、阿笠博士は分かっていた。
(無理するんじゃないぞ、工藤君)