漆黒の境界線 act.Ⅱ (ページ3)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:9,070 hit

Episode7-3 ページ3

「命拾いしたようだな…お互い」
朽木白哉は成宮さくらと共に去っていった。日番谷冬獅師も分かっていたようで、瞬歩で姿を消した。
「何処に行きやがった…！」
江戸川コナンは眼鏡で追跡するが、見失ってしまった。
(逃げられたか…！)
悪態をつくと、その場にいたジョディとジェイムズは何とも言えなかった。
「面倒な事に巻き込まれたようね…」
ジョディが呟くと、赤井秀一は仮説を語りだした。
「もしかすると、藤宮琉奈という人は奴等の仲間…ということか」
江戸川コナンは「えっ？！」と驚きの声を上げた。黒の組織の仲間ではないかと考えていたのだった。
「それもそうだが…」
赤井秀一は銃をしまって、立ち上がった。4人はその場で立ち尽くしていた…

「燭台切さん、庇ったということは自分がしてきたことに正しいからですか？」

倒れかけそうになっていた燭台切光忠に問いかけた。もはや、答える力もなく意識を失いかけている。
「私の所為で…周りの人にこんな迷惑を…長谷部ならきっと“主命”だからといって最後まで戦うでしょうね…」
本丸で良く共にしていたへし切長谷部。最後まで戦うへし切長谷部を想像しながら言い掛けた。
「燭台切さんも自分がしてきた事に正しいと思ってやった事ですよね…私を守るように」
そこへベルモットがやって来たが、ジンに止められてしまう。
(………)

座っていた身体を立ち上がらせて、燭台切光忠と別れる。
「ゴメンね、でも私…やるべき事があるから。それだけは許して欲しいな」
私はそう言って視線を移し、ベルモットは心配そうに「大丈夫？」と声を掛けてきた。
「これくらいは大丈夫だよ！」
振る舞って見せたが、ジンに蹴られた。
(ちょっ…！)
「これでもまだ“大丈夫”と言えるか？」
言い捨てて先へ行ってしまった。
「大丈夫…じゃない…です」
朽木白哉との戦闘でかなりダメージを食らっていたのだ。大丈夫な訳ない筈だ。
「…行くわよ、ムーンライト」

米花町・米花警視庁。
佐藤刑事は目暮警部に報告をしていた。
「目暮警部、先程工場で事件があったと江戸川コナン君から…」
“江戸川コナン”という言葉に反応した。江戸川コナンは事件のヒントを教えてくれたりしているのだ。
「分かった…聞いてみる」
立ち上がろうとして聞きに行くが、高木刑事から「今、コナン君は此方へ向かっています」と言われた。

ガラリ…