漆黒の境界線 act.Ⅱ (ページ19)

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Episode11-3 ページ19

「あ、園子姉さんだ！」
「あら、ガキンチョも来ていたのね…」
少し離れた所で江戸川コナンは聞いていた。灰原哀は呆れたようにため息をつくしかなかった。
「全く…博士は……」

同時刻。
「公安の後を追ったが…水族館だとは…」
千葉刑事が呟くと、佐藤刑事は「まさか、ここに来るとはね」とため息をついた。
「取り合えず、様子を見るしかない」
目暮警部は様子を見ることを指示する。しばらくは車の中で公安の様子を見ることにした。

(公安の人たちは……どういう訳で？)

佐藤刑事は不思議に思っていた。事件が起きることはなく、騒ぎは今のところなかった。

「元太君、見て！」
目の前に大きな水槽を差した。その中にエスカレーターがあったのだ。乗りたいと言う子供たちに阿笠博士が付き添った。
「全く…子供たちは元気ね…」
やれやれと呆れながらも灰原哀は付き添うことにした。何かあったら困るからだ。
(ここにも藤宮琉奈はいない…か)
追跡眼鏡で探すが見当たらなかった。何か見つけたのか元太が「何だこれ？」と言ってきた。
「どうしたんですか、元太君？」
歩美は水槽に顔を近付けると、遠くに何かが見えた。黒くてよく見えない。
「どうした、元太？」
江戸川コナンは追跡眼鏡でズームアップしてみる。それは、爆弾だった。

(爆弾……？！まさか、他にも……！？)

他の水槽をズームアップして見てみると、爆弾が仕掛けられてあったのだ。灰原哀は察したようで、江戸川コナンにアイコンタクトを送った。
「どうしたんだよ、コナン？」
元太に言われて、とっさに「何でもねぇよ」と心配させないように偽った。
「どうするの、コナン君？」
「よく分かんねぇけど…やべぇことになりそうだ」
すると、エスカレーターを急いで上がって他に爆弾がないか探してみた。

(動き出したわね…こちらもそろそろ動く時かしら？)

変装していたベルモットはそう思っていた。江戸川コナンと灰原哀の様子を見て、ベルモットも少しずつ動き出す。
「奪還するついでに始末するのかしら？」
離れた所に行って話を始めた。近くに人はなく、誰にも聞かれていない。
『…あぁ』
「了解したわ」
『そっちは準備出来ているのか？』
「もちろん、いつでもいいわ。好きなときに始めて頂戴」
『…了解した』
そこで通話は途切れた。
「さて、どうするのかしらね……」
不敵な笑みを浮かべて、別の方向へ向かった。江戸川コナンは何者かの気配を感じてハッとした。