漆黒の境界線 act.Ⅱ (ページ16)

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Episode10-4 ページ16

「行ってほしくないのは分かってる…けど、私を必要としていることに変わりはないの。…ゴメンね」
そっと腕を放し、私は歩み出た。

すると、携帯電話が鳴った。

『何処に行っていた？』
相変わらず変わらない声に私は思わず別のことを言いそうになったが、止めておいた。
「悪気はないんだけど…ちょっと事情があってね」
『今、何処にいる？』
「さぁ、どうでしょう？」
私はちょっと悪戯っぽく言ってみたかった。歩きながら、通話していると何故か東都臨海水族園に来ていた。
「今、東都臨海水族園にいるけど…」
『…そこで待っていろ』
「了解…」

そこで通話は途切れた。
私は水族館に待つことに…
(私の望む生き方…)
空を見上げてふと思っていた。私の思う“望み通りの生き方”とは……

「兄貴、何処へ行くんですか？」
車に乗り込み、助手席に座る。
「…東都臨海水族園だ」
運転席に座ったウォッカはエンジンを入れる。
「…了解！」
また携帯電話を出し、キャンティとコルンに連絡を入れる。
「ムーンライトの奪還に入る、準備をしろ」
『了解したよ！』
「場所は東都臨海水族園だ、頼んだぞ」
そこで通話は途切れた。キャンティとコルンも承諾したようで、不敵な笑みを浮かべる。

黒い車が通りすがり、江戸川コナンはハッとした。
そして、急いで後を追う。
「灰原…俺たちも行くぞ！」
スケボーに灰原も乗せて、後を追う。
「掴まってろよ、灰原！」
灰原は頷いいた後、スケボーを走らせた。見失うことなく追い掛ける。

(させるか……！！)