漆黒の境界線 act.Ⅱ (ページ15)

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Episode10-3 ページ15

「……？！」

それは成宮さくらが光の柱に囲まれていたからだ。その柱は下へ続き、魔法陣を描いていた。
スッ…
右手を上げて、何かを描いていく。
(動かない…だと？！)
朽木白哉は動けなかった。

パンッ！

両手を叩き、開くと斬魄刀が光を放ちながら出てきた。
「これでも…どうかな？」
斜めに振るうと、朽木白哉の身体は斜めに斬られてしまう。そのことに阿散井恋次は驚いた。

「波道の四、白雷」

渾身の力を振り絞って朽木白哉は放ったが、吸収されてしまった。そして、あることを思い出す。
(……！！)

「さて…と。これで……」

指を差して、白雷を日番谷冬獅師に放った。
(ぐはぁあ……っ！！)
相手の技を吸収し、さらにその倍に技を返すのだ。それを食らった日番谷冬獅師は立ち上がるにも困難になってしまった。

同時刻。
藤宮琉奈は黒揚羽蝶に導かれて、走っていた。その先に見えていると信じて…
「ありがとう…さくらさん」

ピカァァ……！

空が光り、現世と尸・魂界にいる人たちは驚いた。
「こ、ここは……」
目が覚めるとある店の裏にいた。倒れている身体を起こして、歩いていく。
「着信がずっと続いている…」
携帯電話を見てみると、着信が立て続けに続いていた。10回以上くらいある。

「繋がん…何故だ？」
繋がらないことに不満を感じていた。
「気付いているのでは？」
洗脳されていたことに気付いているのを考えもしなかった。確実に洗脳していることを祈っていた。
「いや、洗脳した筈だ」
すると、ベルモットがこちらに向かってきた。ムーンライトを探してみたが見当たらないとのこと。
「何としてでも探し出せ！」
煙草の吸殻が落ちた直後、地面に擦り付けた。そして、怪しげな笑みを浮かべる。

その頃も藤宮琉奈は米花町を歩いていた。何処を歩いているのか分からなかった。
「あ、お姉さん！」
江戸川コナンは藤宮琉奈の姿を見つけ駆けつけた。江戸川コナンと一緒に灰原哀もいた。
「ちょっと…何処へ行くの？！」
灰原哀からの鋭い声が走った。何処へ行くのも分かってなかったが誰かが待っていることだけは分かっていた。
「あの車……！」
江戸川コナンはハッとした。灰原哀も分かっていたようで、藤宮琉奈を連れていった。
「…待って！」
私が言うと、灰原哀と江戸川コナンは足を止めた。驚いた顔をしている。
「もしかして……」
背を向けると灰原哀の手が私の腕を掴んだ。

「組織に戻っちゃ…駄目……！」

(そうだ…私は……！)
これまでの記憶が浮かび上がり、洗脳されていたについては気付かず、記憶が浮かび上がるだけだった。