漆黒の境界線 act.Ⅱ (ページ11)

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Episode9-3 ページ11

日番谷冬獅師は呆れたようにため息をついた。隣には阿散井恋次がいた。
「波道の三十三、蒼火墜」

(………！！)

とっさに何も出来なく、二人はそれを食らって倒れこんでしまった。日番谷冬獅師は鬼道を使って気絶させようとした。
藤宮琉奈は急いで死神化し、放つ前に遮った。
「ちょっと話がある、話といっても分かるだろう」
こんなことになるとは思わなかった。ベルモットまで巻き沿いにしてしまったことに後悔した。
「じゃなかったら……」

「…分かりました。行きます」

そこで藤宮琉奈の霊圧は途切れた。その途切れた霊圧は朽木ルキアと松本乱菊は分かっていた。

尸魂界。
一番隊隊舎・隊首会議場。
そこに護廷十三隊が集まった。その中に零番隊の隊長である藤宮琉奈の姿があった。
「全く…世話がせな人だね……」
呆れたように京楽春水は呟いた。隣には朽木白哉がいて、藤宮琉奈は恐れていた。
「長年と職務を放棄した者は違反と見なす！」
(………！！)
山本元柳齋重國はそう言い放った。
「まさか…処刑とは言わないですよね…？！」
成宮さくらが言うと、松本乱菊は哀しそうな目で訴えていた。山本元柳齋重國ならそう言うと思っていたのだろうか。
「零番隊隊長藤宮琉奈は処刑と致す！放棄していたことに変わりあるまい、隊長としての資格はない！」
きっぱりと言い捨てて、処刑となったことに藤宮琉奈は驚きを隠せなかった。
そこで会議は終わり、藤宮琉奈はどうすることも出来なかった。処刑されるまでの間は辛い毎日を送ることになった。
「私は…どうすればいいのだろうか」
窓から見える空を見上げて呟いた。

藤宮琉奈がいなくなった現世ではというと…
「私のミスだわ……」
ベルモットはため息をつきながら、三角のグラスを揺らしていた。
ラスを揺らしている。
「兄貴、どうしやすか？」
そこへウォッカがやって来た。これからのことについて気になるらしい。
「…じきに戻るだろう」
「気付いて抜け出したというのは考えられないよ、確実に洗脳させてるんだから」
ベルモットはそう言って空になったグラスをカウンターに置いた。
「でも、時間の問題かもよ？」
イヤホンを取ったベルモットは席を立った。そしてイヤホンはカウンターに置かれる。
「…どういう意味だ？」
「これを聞けば分かるわ…」
壁に寄り掛かったベルモットは不敵な笑みを浮かべた。