漆黒の境界線 act.Ⅰ (ページ23)

今日:1 hit、昨日:17 hit、合計:28,100 hit

Episode6-3 ページ23

「零番隊の隊長が何故、ここにいる？」
そうだ…私は零番隊の隊長ということを忘れていた。
「帰るぞ」
桜の花びらは集まっていく。ついていかない藤宮琉奈に足音止め、振り返った。
「私は行きません、ここで成すべき事があります」
断った私に朽木白哉は斬魄刀を手に取った。
「貴様はここにいるべきではない、分からぬのか？」
藤宮琉奈と朽木白哉が話し込んでいると、赤井秀一、ジョディ、ジェイムズは立ち上がった。
「そこを退きなさい！」
ジョディは銃を構え､ジェイムズは驚いた。止めようとしたが、言う事を聞かない。
(ジョディさん…)

「大事な話を邪魔するとは、いい度胸だ」

朽木白哉は始解しようとした。私が止めるとジョディは驚いた。
(ちょっと…！)
「何だ、そこを退け」
キッパリと断ると、朽木白哉は鬼道を使おうとした。
「波道の三十一、赤火砲」
藤宮琉奈の目の前で衝撃波が起こった。朽木白哉は目を開いて驚いている。

それは______

死神化した藤宮琉奈の姿があったからだ。
「貴様、やる気か…」
そこへ阿散井恋次がやって来て、朽木白哉の腕を掴んだ。何事かと阿散井恋次を睨む。
「今日はここまでにしときましょう、朽木隊長！」
少し不満だったが、朽木白哉を阿散井恋次が尸・魂界へと連れていった。

「取り戻す、退きましょう」

ジョディは銃をしまってジェイムズと共にその場を去った。
(見えているの…私が？)
赤井秀一と目が合ってしまい私は驚いた。誰か来ると知った赤井秀一はその場から去っていった…

「…おい」

背後から声が聞こえた。この声はジンだった。
「私が見えているの…？」
声を掛けたという事は死神が見えていることになる。
「すみません、この事誰にも話してませんでしたね。私…死神なんです」
自分の秘密を隠し続けていた。本丸でもそれだけは話してなかった。
「それがどうした？」
思いもよらない答えに私は驚いた。何とも思っていないのか。
「私、死神ですよ？」
同じような事を言っても、顔一つ変わらなかった。
「“死神”だろうが、何だろうが知った事ない。行くぞ」
背を向けて先へ行ってしまった。
私が死神でも大丈夫なのだろうか。これも気を遣ってくれているのかと思ってしまう。

(何か…気を遣わせて悪いな…)

私の足の速度に合わせてくれていた。そんな細かい所まで気を遣わせてくれるのに私は何も出来ない。
「あら、ムーンライトじゃない」
車の近くにベルモットとウォッカの姿があった。ベルモットは手を軽く振っている。
(あの女は確か…)
二人とも死神が見えているようだった。