漆黒の境界線 act.Ⅰ (ページ22)

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Episode6-2 ページ22

私は刀剣たちから逃げていた。

ボスッ

誰かとぶつかり、私は慌てて大丈夫かと聞いてみた。相手が敵だと知ると、思わず声を上げそうになった。
「君たちの後を追ってやって来たまでのこと…さて、この間の続きとしますか」
逃げられることは出来ない。鬼道を使いたいが、また刀剣たちに見つかってしまう。
(どうしよう……！)
あれこれ考えていると、赤井秀一はため息をついた。
「場所を変えた方が良さそうですね……」
場所を変えるにしても遠い。廃墟はここから30分くらいはかかる。
ぐいっ
何者かの気配を感じたのか、赤井秀一は私を死角へと連れ込んだ。
(ここから…行くしかなさそうだ)
非常口を見つけると、私を連れて外へ出る。

「あら…どうしたのかしら？」
携帯電話からのバイブレーションを感じたベルモットは開いた。
「どうしたの？」
『急げ、最悪な事態だ』
「了解したわ」
短時間で通話は途切れた。“最悪な事態”という言葉で通じている。
「車を出してちょうだい」
「了解！」

赤井秀一に連れていかれた(主人公はは廃墟にいた。廃墟といってもそれほど古くない。
「さて…話してもらおうか」
(……！！)
ここなら鬼道が使える。だが、無駄に使いたくはない。
「秀！」とジョディが駆けつけて来た。ジョディと一緒にジェイムズもいる。

「片っ端から話してちょうだい、言ってくれれば無闇に命を奪わないわ」

銃を用意していた。念のためなのだろうか。
「私は何も言わない、誰であろうと…ね」
私が言うと、赤井秀一は銃を向けた。ジョディとジェイムズはそれに驚いた。
「言ってくれるね……君」
引き金を引いて打とうとした。

ダンッ！

銃弾が放たれ、私は縛道を唱える。
「縛道の八、斥」
銃弾は弾かれて地面に落ちた。ジョディとジェイムズは驚きのあまり声が出なかった。
「あんた……何者？！」
赤井秀一は不敵な笑みを浮かべた。そして、銃を打つ。
(間に合わない……！)
唱えるにしても銃弾が速く、腕に掠れてしまった。
「素直になってくれればよいものを……こんなことにならなかったのだがな」
どうしようも出来なかった。どうにか逆転する方法を探すと、あることを思い付いた。
「何をする気だ……」

「波道の三十三、蒼火墜！」

空へ向けて蒼火墜を放った。蒼い光が放たれ、ジンは足を止めた。

「これで…私の居場所は分かったはず…」
息切れでもう今の私は鬼道は使えなくなった。
もう、手段はない。
「さて…仲間が来る前に聞き出すとしよう」
(……！！)

ザァア！

桜の花びらが私の前を通った。これは…朽木白哉の斬魄刀だった。