漆黒の境界線 act.Ⅰ (ページ20)

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Episode5-4 ページ20

私の部屋にベルモットがやって来た。鬼道を使った所為か疲れ気味なのだろうか。
「はい、今日は休みます……」
言い終える前にベルモットが「気にしないで」と言った。その後、ベルモットは部屋を後にした。
それから誰も入ってくることはなかったと思っていたが、ベルモットがまたやって来た。
「ムーンライト、呼ばれてるから来てちょうだい」
私はベルモットに言われて、部屋を後にした。
“呼ばれてる”ということは何かあったのだろうか？
「連れてきたわ。で、何をさせる気なのかしら？」
ベルモットは何のことか聞いてみた。
「外出許可を与える。正し、余計なことをするな」
まさかの外出許可が下された。パニックになったばかりなのに……
「ありがとうございます！」
外出許可を与えられたのだから、お礼を言っておくべきだ。そうではないといけない。
「行くなら、支度をしろ」
私は急いで支度をする。ベルモットは意外と思っていたようだ。
「ウォッカ、車を出せ」
「了解！」
何故か私が来るタイミングを分かっていたようだった。私にはそれが分からなかった。