漆黒の境界線 act.Ⅰ (ページ12)

今日:17 hit、昨日:2 hit、合計:28,099 hit

Episode3-4 ページ12

路上には人が集まっていた。その中に(主人公のと和泉守兼定がある。

「自分が何をしているのかを分かっているのか？！貴方がしてきたことを考え直せ、自分がしていることが正しい…と」

自分でも何を言っているのか分からなかった。だが、自分が言っていることに責任を持っている。
「俺たちがしてきたことは、主を苦しめていたのか？」
振り絞って声を出した。その後、沈黙が流れる。
「主……」
和泉守兼定は何とか立ち上がろうとしていたが、主に止められる。
「動くな！」
背を向き俯いて叫んだ。すると、和泉守兼定は動くのを止めた。
「動くということは…この身体でまだやるというのか？止めて…」
「主…それ______」
和泉守兼定が言おうとした時、主が遮った。

「お願いだ……頼むから……！」

祈りのように。
和泉守兼定はそれ聞こえていた。
主は背を向けて去っていった。一人残された和泉守兼定は意識が途絶えた。
ザァアア……
その後、雨が降りだした。雨に打たれ、濡れていく。

「こんなところで風邪ひくよ？」

そこへやって来たのは燭台切光忠だった。
傘を持って和泉守兼定を雨から守る。心配そうに燭台切光忠は和泉守兼定を見ていた。