漆黒の境界線 act.Ⅰ (ページ11)

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Episode3-3 ページ11

藤宮琉奈は川沿いにいた。水面に石を投げて、振動が何度も続いた。

「逃したと思ったら、こんな所で見つかるとはね……」

路上にバイクを止めて川沿いへ歩いていく。何者かの気配を感じて私は振り返った。その先にベルモットがいた。
「探したんだからね、行くわよ」
ぷいっと背を向けてバイクのある路上に向かった。
「何処へいくつもり？」
ベルモットは顔をしかめて「何を言っているのかしら？」と言う。
そして、ベルモットに銃を向けられた。

「私は貴方を連れていく使命を与えられたんだから、指示に従わないと困るんだけど？」

(……！！)
どうすることも出来ず、ただ時間が過ぎていくだけ。
「何を手こずっている？」

「「……！！」」

ベルモットは銃をしまい、顔を反らした。冷たい声に一瞬寒気がゾッとした。遠き昔に聞いたことのある声。何発か銃を打ち、(主人公がは素早い動きで全て交わしきった。
「だてに鈍っていないようだな」
(何か来るかもしれないし、油断は禁物だよね。何があっても……！)
藤宮琉奈は警戒心を解くことはせず、様子を伺う。
「“覚えていない”とは言わせん」
相変わらず銃を向ける体勢は変わらない。時間が過ぎていくだけだった。
(何をするつもり…なの？！)
急に銃をしまうことに藤宮琉奈は不審に思っていた。何をするかも分からないのだ。

(……！！)

動きを封じられて考えることしか出来なかった。何故、こういうことをしたのかと分かっていた。無駄に時間を費やしたくないからだ。
「…行くぞ」
ザッ…
誰かの足音が聞こえた。

「何処に行くってんだ？」

振り返った先に和泉守兼定がいた。刀を持っていることから武士と見なしていた。
「そいつを離しやがれ！」
ベルモットは呆れたようにため息をついた。何が起こるかもしれないと思った和泉守兼定は刀抜く。
「同胞を連れ帰るだけのことだ」
「なん…だと？」
和泉守兼定を怒りに満ちた声で言った。怒りが治まる気配はない。

ダンッ！

銃が打たれ、和泉守兼定を貫いた。
「殺ることに変わりはないでしょう？」
ベルモットが言うと、不適な笑みを浮かべた。ふと、目が覚めた時には和泉守兼定は倒れかけそうになっていた。
頭痛が藤宮琉奈を襲い、数々の記憶が巡った。頭痛は3分で治まり、藤宮琉奈は状況を把握する。
「目が冴えました。行きましょう」
急に藤宮琉奈が言うと、一瞬空気がガラリと変わった。