Episode8 ページ10
「彼はビルの外にいたから軽傷で済んだけど、ビルの中にいた人たちは……」
「うん……亡くなった人もいたって、ニュースで見た」
高木刑事は頷いた。ため息をつき、コナンに話した。
「あぁ、こういうことは言うべきじゃないだろうけど……」
高木刑事は俯いて、複雑な表情を浮かべていた。
「被害が民間じゃなく警察官だけだったのは、不幸中の幸いだったかもしれない」
「サミット中に爆発が起きてたら、世界中が大騒ぎになってたよね」とコナンは言う。
「いや、もう…警視庁、特に公安部は叩かれてるよ。
サミット前に爆発事故が起きたんじゃしょうがないけど……」
聞き捨てならず、コナンは「事故…?」と高木刑事に聞く。
「あっ……いや」
顔を上げて、つい“事故”って言ってしまったことに気付いた。
「現場の状況から、最初は事故で処理されるはずだったんでね…つい」
「小五郎のおじさんの指紋が現場にあったんだよね?」
そう言うと、高木刑事はまたため息をついた。
「それを風見さんが見つけて、一気に事件性が出たんだ」
プルル_______
白いスマホが鳴り、コナンはスマホの画面を見る。毛利蘭からだった。
「僕、もう帰らなきゃ!高木刑事、ありがとね!」
「気をつけて、帰るんだよー!」
コナンはスケボーに乗り、蘭からの電話に出る。
『新一!助けて!お父さんが…“逮捕”されちゃう!』
「…蘭!少し時間をくれ!」
『う、うん!』
コナンは電話を切り、歯を食い縛った。毛利小五郎が逮捕されてしまう_____
(くそっ…!何で、おっちゃんが……)
その日の夕方_____
風見という刑事たちが、毛利探偵事務所へ再びやって来ていた。
「だから、知らねぇって!」
「押収した貴方のパソコンから出てきましたよ。サミットの予定表、それから爆破された国際会議場の見取り図です」
「…嘘です!父はそんな資料をパソコンに保存なんか、できません!」
後からやって来た園子も蘭と共に、反発する。「そうよそうよ!」
「すごく、“機械音痴”なんです!」
「そうです!いきません!!」と、小五郎はそれに乗っかる。毛利探偵事務所に入ってきたコナンはさりげなく風見刑事をスマホで撮った。
おっちゃん_______!
コナンからも、涙が流れそうだった。蘭は園子に支えながらも泣きそうだ。
「…だから、俺は何もやっちゃいねぇよ!!」
否定を続ける小五郎。だが、証拠がなければいけない。
「とにかく。詳しい話は警察で聞きます」
毛利小五郎に近づいて腕を取るが、振り払わられる。
「ふざけるな!!」
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作者名:零月 | 作成日時:2018年4月16日 19時