Episode5 ページ7
「どういうことかね…?」
目暮警部の問い掛けに、高木刑事と佐藤刑事が続けて報告する。
「エッジ・オブ・オーシャン”にネット環境が整うのが今日だったんです」
「それで今朝、“警視庁公安部”による警備点検の後、点検予定でした」
「だとすると、今回は“事故”の可能性が高いですね……」
白鳥警部が呟くと、目暮警部は頷いた。“事故”の可能性高いという。
「サミットを狙ったテロなら、各国の要人が集まる来週“5月1日”に決行しないと意味がないしな……」
「そのサミット会場ですが、今回の件で“変更”になるとのことです」
と、佐藤刑事は補足する。そんな中、一人の刑事が会議室に入ってきた。
「…所属と名前を言え!」
「警視庁公安部所属、風見祐也と申します」
視線が集中するが構わず、ズカズカと会議室内を歩く。
「ガスを爆発させた発火物の件は?」
黒田が「まだだ」と答えると、佐藤刑事が立ち上がる。
「刑事部で電気設備を調べています」
「その発火物ですが、“高圧ケーブル”かもしれません」
モニターの前に立つ風見刑事。黒田から「…続けろ」と言われ、そのまま続ける。
「このレストランの壁の向こう側、左隅に陽水ポンプがあります」
モニターに映し出されたレストラン街を差す。
「水道をビル全体に回すポンプですね」
「そのポンプに“高圧ケーブル”が繋がれています」
モニターに“高圧ケーブル”が映し出される。その画像は拡大され、さらにその断面図が表示された。
「“高圧ケーブル”は送電で熱を出すため、“油通路”に冷却の油が通してあり、そこに何かの拍子で火花が出ると、油に引火して燃え上がるという例があります」
「まさか、工事ミスが見つかったのか」
目暮警部の問いに、風見刑事は「いえ…」と言う。
「しかし、“高圧ケーブル”の格納扉に焼きついた指紋がありました」
「つまり、爆破前についた指紋か」
黒田に聞かれた風見刑事は「はい」と答える。その指紋について話し出す_____
「現場に入ったのは工事関係者と、今朝、警備点検した我々公安部だけ……」
確かに、その通りだ。その中に犯人がいるのだろう。
「よって、工事関係者の指紋及び警察官の指紋をデータベースで照合した結果……」
_____かつて、“警視庁元捜査一課”に在籍していた
毛利小五郎と指紋が一致しました_______
大きな画面に、毛利小五郎が映る。見た途端、目暮警部や佐藤刑事…高木刑事など驚いた顔をした。
_______!?
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作者名:零月 | 作成日時:2018年4月16日 19時