隣は、零。【ゼロの執行人】 (ページ17)

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Episode15 ページ17

「何で、警察が起訴に口を出すの？警察は検察に監督される立場のはず…何より起訴は、検察官の独占的権限で_______」
ハッとして、妃英理は何かが思い浮かんだ。
「えぇ、おっしゃる通りです」
橘鏡子は言って話に入ってきた。続けて話していくとコナンの表情が険しくなった。

「はっきり言って、検察の公安は警察の公安に歯が立たないんです。

捜査員の人数やノウハウに雲泥の差がありますからね。だから……起訴にも“公安的配慮”が働くときがある」

(公安的配慮…………)
コナンが心の中で呟くと、橘境子は街の景色を見下ろした。

同時刻。
ある場所で、その会話を盗聴している者……安室透がいた。
『特にサミット会場の爆破なんて、公安警察の顔に泥を塗ったも同じ。必ず起訴しろという圧力が容易に想像できます』

「それじゃあ、お父さんは……」
不安そうに毛利蘭は、橘鏡子に尋ねた。窓の外から視線を変え、振り返る。
「えぇ、きっと起訴されます」
そう聞いて、コナンは違和感を覚えた。何かがあるとふんでいた。

この弁護士_________

まるで、起訴を望んでいるようだ。

___米花町のとある警視庁

コナンは目暮警部と一緒にいた。毛利小五郎の件で話をしていた…
「小五郎おじさんのパソコンが誰かに操られた可能性を調べているんだよね？」

「まぁ、確かに。日下部検事に“追加捜査”を頼まれているが……」

「ねぇ、言える範囲でいいから教えて！新一兄ちゃんが小五郎おじさんを助けるために、どんな情報でもいいから欲しいって_____」

そんな時、安室透がやって来る_____

「毛利先生が、どうしたって？」

聞かれていたようで、コナンはハッとした。
「聞いてたの…？」
その問い掛けに無視して、「何を？」と言っている。
「僕は毛利先生が心配で、ポアロから差し入れを持ってきただけだよ」
「あ、毛利くんはもうここにはいないよ」

「送検されたら、原則身柄は拘置所へ行く。安室さんなら、知ってたよね？」

追求するコナン。それも無視して、「へぇーそうなんだ。君は相変わらず物知りだねぇ」と言っていた。

「………！！」

タイミングを見計らったように、雨宮Aが入ってくる。
(どういうことだ…！？)
安室透との関係が気になるが、なかなか話掛けられない。
「君。後、そういう差し入れは持ち運べないよー」
目暮警部が言うと、「分かりましたー」と言って雨宮Aと一緒に行ってしまった。

「…差し入れ、渡そうとしたのですが無理でした。後……」

コナンの鋭い視線を感じながらも、ぐいっと腕を引っ張って引き寄せた。
「………！？」