Episode14 ページ16
「警察では、否認を続けたようですね」
「当然だろ。俺は何もやっちゃいねぇ」
ぶっきらぼうに毛利小五郎が言うと、記録係がパソコンに入力する。
「しかし、貴方を犯人とする証拠がこんなにありますが?」
「それが分からねぇんだ、検事さん!誰かが俺をハメたとしか思えねぇ!!」
「今回の爆破事件、地検公安部の日下部検事が担当することになりました」
傍にいた橘鏡子は「あら、大変」と言っていた。
「公安事件の弁護をすることがない私でも、名前は知ってる」
ため息をつく妃英理に毛利蘭が聞く。「そんなにすごい検事さんなの?」
「妃先生と同じで、負け知らずの敏腕検事。私とは真逆ね」
空気がどんよりとしていて、コナンは話題を変えようと資料を指差した。
「あ、僕。この事件知ってるよ。“NAZU不正アクセス事件”」
「え?NAZUって、アメリカで宇宙開発してるあの有名な?」
「あぁ、去年…ゲーム会社の社員が遊びでアクセスしたって事件。この時の検事も日下部さんだったんです」
「その裁判も……」と毛利蘭は聞いてみる。まさか、負けてるのかと疑っていた。
「もちろん、負けてます」
(おいおい………)
「ふーん、動機…ねぇ………」
統括検事室。そこに岩井検事と日下部検事がいた。
「でも、証拠がこれだけあるんだし…明日にも起訴でいいんじゃない?」
「し、しかし……」
日下部検事は岩井検事のデスク前に行く。証拠ファイルを開き、指を差した。
「例えば、爆発現場のガス栓にアクセスしたとされるこの記録ですが_______」
岩井検事は日下部検事と言い合っているようだ。
「それは、この証拠を無視した貴方の勝手な推理よ」
焼き付いた指紋の写真を差して、岩井検事は言う。
「岩井統括。私は警察に追加の捜査をさせ、その結果を_______」
遮るように、「いいえ!!」と岩井検事は言い、“毛利小五郎を起訴しなさい”と話す。
「これは、公安の判断です」
「その公安部とは我々検察庁の方ですか?それとも、警察庁の方ですか!?」
さらに突き詰める日下部検事。聞き耳を持たず、「以上です。出ていきなさい」と言った。
「_______________...」
____毛利小五郎が逮捕されて、3日が経った
「追加の捜査を求められた?」
その情報は妃法律事務所にも伝えられた。聞き返すと、「はい、日下部検事に」と白鳥警部は言った。
「じゃあ、その捜査次第で…お父さんが不起訴になるってことも……」
「いえ、追加捜査は日下部検事の一存で、公安警察は起訴を決めたようです」
白鳥警部が言ったことに、「ちょっと」と妃英理は眉をひそめた。
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作者名:零月 | 作成日時:2018年4月16日 19時