隣は、零。【ゼロの執行人】 (ページ3)

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Episode1 ページ3

__どうしてこうなった

ワケが分からない。目の前には、安室透がいる。夢を見ているのか？

「……美味しい」

作ってくれたパンケーキは美味しく、まるで夢のようだ。
「そう言ってくれて、何よりです」
ニコッと笑みを浮かべて安室透は言う。

(何これ……こんなこと、あるの？！)

思いながら食べていると、「名前、聞いてなかったですね…」と言い、“名前”を聞いてきた。
「……雨宮Aです」

「雨宮さんですか…良い名前ですね」

笑顔で言っていて、照れてしまい頬が赤くなった。
(………！？)
急に言われ、私は驚いた。“良い名前ですね”という言葉が頭の中で繰り返される。
「わっ…私、失礼しますね！」
その場を去ろうとした。こんなことをしていると馬鹿になりそうだ。

「…待ってください」

呼び止められてしまい、動かしていた足が止まる。
「ここで良ければ……居て良いですよ」

その一言が私の運命を変えるなんてことは、

思わなかった_________

あれから数日が経った。

「…よろしくお願い致します！」

新しい仕事を見つけ、面接。私の向かい側に…安室透の姿があった。

私の姿を見て、驚いた顔をしていた_____

面接が終わり、部屋から出ようとした時…呼び止められた。
「何でしょうか……？」
面接官の人たちは部屋を後にしていく。10分後には、二人だけになってしまった。

「さっき…言いましたよね？何処で知ったのですか？」

面接で投げ掛けられた質問の答えに“降谷零”と言ってしまったのだ。その時の記憶が思い浮かび上がる_____

“降谷零みたいな、カッコイイ人に憧れて！警察官になりたいって思いました！！”

つい口が滑ってしまい、顔が青ざめる。視線が鋭く、嫌な予感がしかしない。

「と、友達から……聞きました……」

目を反らして、“友達”から聞いたと言えば良いだろうと思った。
「「________...」」
その後、気まずい空気が流れる。目を合わしたら…

(…し、死んじゃう)

榛名は目を合わせないよう、横目で違う方向に視線を変えた。
「雨宮さん。君が望む仕事は“危険”だ、それで良いんだな？」
冷たい目をしていて、降谷零ではなかった。バーボンのような雰囲気が漂う。

「そんなことは、承知のうえです！危険であっても、“守り貫く”のが“正義”じゃないのですか？！」

意を決して、私は叫ぶ________

言われた降谷零は、驚いた顔をしていた。こんなことを言うとは思ってもなかった…

「……君には、負けたよ。凄いな、君は…」

どういう意味なのかと、聞いてみるが「分からなくて良い」と言う。

「……！？」