332話 ページ3
お母様「それから…最後のお願い、聞いてくれる?」
貴方「お願い…?」
お母様「ママって呼んで…」
貴方「…!……ま…ま……?」
お母様「お母様じゃなくて、本当の家族みたいに。」
貴方「うん……ママッ……!」
お母様「ありがとう。
それじゃあA、来世も……私の所に来てね…」
貴方「……はいっ」
お母様はそのまま去って行った。
私の親変わりになった人は…
早く死んじゃうのかな………。
そんなことも思ったりした。
貴方「お母様…」
首と指の指輪が、夕日に照らされた。
貴方「……ありがとうございました」
そっと呟いたソレも、お母様に届くことは無い。
あれから、9日。
貴方「お母様……」
夏の暑い日、お母様は亡くなられた。
癌だったらしい。
最後に会ったあの日から、
お母様は一度も部屋から出て来なかった。
そして私達四人は、ベッドで眠るお母様を見つめていた。
貴方「…」
グッとネックレスを掴む。
アーサーさんが、隣に居てくれた。
アーサー「……母さん…。幸せそうだな…。
やっと父さんに会えるからかな…」
貴方「何も……言わないで下さい…。声、震えてます…アーサーさん……」
アーサー「…お前も……な」
マシュー「…」
貴方「…」
私は、冷たくなったお母様の手を握った。
貴方「短い間…ありがとうございました…。凄く…幸せです。」
アル「A…」
ガクンと足の力が抜け、床に座り込んだ。
マシュー「…!」
貴方「こんなに良いキョウダイに出会えた……。私……それ以上何も…いらない」
アル「…」
アーサー「っ…」
マシュー「そうだね…。僕等四人で…これから頑張ろう…」
貴方「はい……。」
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作者名:暁兔 x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年9月18日 22時