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やることが無いだなんて言い訳をして、ろくな休息もとらず思考を埋め尽くすかのように練習に打ち込む様は狂気すら感じる。休むよう声をかけても聞こえていないのかわざとなのか、練習を続けるのには困ったものだ。
そんなこんなで話しかられるような隙もなく、俺は読みの為に鳴る音楽に合わせて隣で踊るしかないのである。


「どうした、読み。」


またいつも通り個人で練習をしていたら、読みがじっと探るように俺を見ていたのに気がついた。


「ヒョン。」
「うん。」
「……関わりにくいですか、僕は。」
「いや、別に……」
「ナムジュニヒョン、なんで僕を入れてくれたんです。」


若干捲し立てるような声だった。存在意義を与えてくれと乞うかのような。彼に与えるべき正しい答えが浮かんでこなかった。


「……認めざるを得なかった、それだけだ。」
「実力、買ってくれたんですね。」


確かに、それも事実ではある。読みはやはり見目麗しいし、身のこなしも十分でこれに歌までついてくるとなるとやはりデメリットよりかはメリットが上回ると判断した。それは決め手だった。


「それもあるよ。」


だがそれ以上に──あの顔をした少年を放っておけるほど俺も冷酷ではなかった、ということなんだろう。




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作者名:或日々襾 | 作成日時:2023年2月17日 21時

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