女の子になりたいな (ページ32)

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この際完全にひとりぼっちだったら。妙に優しい人が近くにいるからなんだか胸が痛い。この環境に飛び込んでしまったのも今苦しんでいるのも大概僕の自業自得なのに、その責任を全く別の誰かに求めようとしているのも相まって。

「あんまり僕のこと、気遣わないでください。」

苦し紛れに出たのは随分無愛想な言葉だった。そのまま見捨ててくれても良かったのに、世話焼きな彼らは顔を見合わせて笑った。

「やだね！」
「そうだよ～、僕らヒョンなんだから！気遣ってなんぼでしょ？」

やっぱり居たたまれなくなった。顔を俯けてそのまま逃げようと思ったけど、それもそれでまた居心地が悪い気がして爪先がつっかかる。何か一言言ってから出よう、そうしよう。少し黙って、またホソギヒョンとソクジニヒョンが僕の顔を覗き込む直前。

「……あの、バッハ……、僕は面白いと思います……。」

背中が熱かったのは多分僕が緊張していただけじゃなくて、二人が僕をじっと見送っていたせいもあると思う。

「うっそ……聞いたホソガ！？」
「はいはい。」

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