女の子になりたいな (ページ24)

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テヒョンア、レッスンのときまでには戻っておいで。ホソクヒョンにそう言われたのを軽く耳に留めておれは一人公園に繰り出した。適当な返事をしちゃったから多分今ごろ頭を抱えてると思う。ちょっと申し訳ない。
でも、いくら頑張り時だからってずっと缶詰めじゃ頭がおかしくなっちゃうよ。

でっかいキャリーケースを置いて噴水のそばに座る女の子(・・・)が目についた。こんな広いだけの公園で何してるんだろ。それを言ったらおれもか。休憩？苦労してるね。皆猫ちゃんみたいにただ楽をして生きてられればいいんだけどね。おれがそういえば、そんなに上手く行かないからねとナムジュンヒョンがそう言ってた。
そんなことを思ってるとなんだかその子がとても可哀想に見えた。可哀想なら話しかけなきゃ。人はそういうときに一人だと辛いんだから。

「あ、えっと……こんにちは？」
「こんにちは。」
「あの……、どうしたんですか？」

案外低めの声をした彼女(・・)は口ごもっている。とっても美人な子だった。偉い人のところのお嬢さんとか、女優さんの卵とかなのかな。そんなでっかいキャリーケース、何に使うんですか、なんて聞いたらきょとんとした顔をされた。
キャリーケースなんだからもちろん何か運ぶに決まってるし、そうなると遠出なんだろうって思ったんだけど、突然遠出ですか？なんて言ったらおれ、絶対不審者扱いされるじゃん。

「今日大邱に帰るんです。」
「大邱！おれも大邱出身です！ね、ね、何line？」
「95……。」
「わあ！同い年じゃん！」

突然距離を詰めたおれに彼女(・・)は少しだけ後退った。

「おれはテヒョンだよ、きみは？」
「A……ですけど……。」

名前を明かせば、あちらも少しは信用してくれたのか名前を教えてくれた。ぐいぐい来るね、と微かに笑われる。

「Aね！敬語も外してよ、友達になろ！」
「とも、だち……、友達、ね。」

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