女の子になりたいな (ページ11)

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「Aヒョン、今日もいない……。」

食卓。一人分開いてるのはAヒョンの席。あの人はもとから食が細いとはいえ、こうなると少し、心配。ミンギュヒョンもわかりわすくしょげている。Aヒョンは自分で気づいていないかもしれないけれど、結構愛されているのだ。だから最近の彼の様子はスンチョルヒョンを延々とそわそわぴりぴりさせているし、シュアヒョンの隈を頬まで伸ばし、ウォヌヒョンにかけているはずの眼鏡を探すに至らせた。

「Aヒョンのご飯全部食べちゃうよ？」

ジュンヒョンは相変わらずどすどす踵で歩いている。韓国語講座もやってはいるようだ。元気に例文を読む声が聞こえる。というより、あのヒョンは多分皆いつも通りに戻ってほしいから自分だけでもいつも通りでいようとしてるんだと思うけども。それを指摘すると別に？違うけど？って言われるので言わない。

「ヒョン？ボノニとジフンヒョンがヒョンのご飯全部食べちゃうぞ～って。」
「いいよ。」

部屋は暗い。なんでこう電気つけないかな！
Aヒョンが若干暗いのもこういうところから来ている気がする。最近は尚更。僕たちには楽観的に物事を語るのに、当の本人はひどく悲観的に考えているのは僕たち皆よく知っている。あと、Aヒョンがスンチョルヒョンの事をそういう意味で好きだということも。……あ、でもこれに気づいているのは僕だけかもしれない。

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