*Happy Birthday/番外編 ページ49
「至さん、ちょっと付き合ってください」
『……え?』
至さんと2人きりの談話室。
恥ずかしさを堪えながら、ソファーに座りスマホゲームをしていた
至さんにそう声をかける。
いつもは積極的な彼もまさかの出来事に驚きを隠せないようで
ぴしっと固まってしまった。
『待ってA、それってどういう「10秒以内に動かないと
なかったことにしますから」
恥ずかしすぎて、至さんの顔を見れずに顔を背けてそう言うと
至さんは慌てたように立ち上がり談話室を出て行く。
しばらくすると私服に着替え、出かける準備をした至さんが来た。
「遅いです」
『ごめん、服がなかなか決まらなくて』
そう言う至さんはいつもより少しオシャレをしていた。
それに少し嬉しくなる。俺もちゃんとした服選んでてよかったな…
「別に構いませんよ。来てください」
『うん、わかった』
ニヤニヤ顔を必死に隠そうとしているが、隠しきれていない彼に
頬が緩みそうになりながら寮を出た。
『…で、どこに行くの?』
「決めてないです。至さん、欲しい物あります?」
『Aが欲しい』
「無理です」
車の中で、俺に抱きついて来ながらそう言う彼の体を
引き剥がしながらそう言うと至さんはむすっとした。
……ちょっとかわいい。
『なんでいきなり俺の事誘ってくれたの?』
「今日誕生日じゃないですか」
『…!覚えててくれたの?』
「別に…ついでですし……」
──嘘だ。実は二日前くらいからずっとそわそわしてた。
何をあげればいいのか全くわからなくて
結局本人任せにしてしまったけど。
「だから早く決めてください」
『顔真っ赤。可愛い』
「質問の答えになってないです」
『Aとの時間が欲しい』
「いつもと変わりませんけど」
『それが一番俺が幸せだからいいの』
「そうですか」
本当に幸せそうに言う至さんに、嬉しくて嬉しくて
胸がいっぱいになった。
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立夏(プロフ) - あいちゃんさん» ありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです(*´ω`*)亀更新ですがこれからも宜しくお願いします♪ (2018年4月24日 19時) (レス) id: 4d6843689d (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃん(プロフ) - 頑張ってくださいいつも楽しみにさせていただいてます(`・ω・´)キリッ (2018年4月16日 6時) (レス) id: 9afa5d89f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2017年10月3日 14時