#story 38 ページ41
「なんで…泣いてるんですか…」
泣きたいのはこっちなのに。
『A…』
やめて。そんな顔で俺の事を呼ばないで。
胸の中にある苦しみが一気にこみ上げてきて
好きだって気持ちが抑えきれなくなってしまう。
叶うはずのない期待を抱いて、絶望したくない…
「退いてください。荷物片付けられませんから」
『戻ってきてよ、A』
「もう戻りません。勘弁してください」
『ねぇ、俺の事嫌い?』
嫌いだったらこんなに苦しくなんてなってない。
好きで好きでどうしようもない。
そう思うのに、口から出た言葉はいつもの可愛げのない
素直じゃない言葉で。
「……っ、大嫌い…ですよ」
『……そっか』
泣きそうになった瞳をまじまじと見られて、目を逸らす。
目を見て"大嫌い"なんて言えなかった。
やがて至さんは俺から退き、部屋から出て行く。
姿が見えなくなった瞬間に涙が零れてきて。
なんで至さんはあんな事をしてきたんだろう…
どういう心境で俺の事を押し倒して、キスしてきて
涙を流していたんだろう。
全く分からない。
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立夏(プロフ) - あいちゃんさん» ありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです(*´ω`*)亀更新ですがこれからも宜しくお願いします♪ (2018年4月24日 19時) (レス) id: 4d6843689d (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃん(プロフ) - 頑張ってくださいいつも楽しみにさせていただいてます(`・ω・´)キリッ (2018年4月16日 6時) (レス) id: 9afa5d89f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2017年10月3日 14時