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7.記憶 2 ページ30




俺の記憶の中は、いつも雨だ


あの日も、あの日も。


どの日も雨が降っている


だけど、俺は雨を嫌いにはなれない


あの雨の日、


俺は大切な人に出会った。













「…濡れるよ?

ってもう濡れてるかぁ」


『……だれ』


「通りすがりの優しい人」


『…胡散臭い』


食べ物は恵んでもらい、

風呂には入れず、

家から逃げて一週間が経ったその日。


風呂の代わりに雨を浴びようと

無心で身体を雨に預けていたら

ふと雨が止んだ。


爽やかそうな、お兄さん


「なんでこんなところで

雨にうたれてたの?迷子?修行?」


『馬鹿なの?』


外の世界を学んだ俺は

見違えるほど口が悪くなったし

愛想もなくなった…気がする


『……逃げてんの』


「…ほーぉ…

家来る?」


『……はっ?』


何を考えているのか、会って間もない俺を

家へ招き、お風呂に入れ、ご飯を食べさせてくれたそいつは

とんでもないお世話焼きとしか思えなかった。


「ねぇ、君はどうして逃げてきたの?」


何も話していないのに、わかったような口ぶりで尋ねられた


『……強く、…つよくなりたい、から』


俺は見栄を張って、そう答えた


「…うん、いい目だ」


少し考え込んだ後、

見たこともないような微笑みを浮かべて、


「君に強さを教えてあげよう」


なんて。


会って間もないそいつの言葉を

具体的でなくて意味も理解仕切れていないのに

俺はなぜか、疑いもせずに

そいつを信じて、ありがとうとつられて笑った



俺を拾い、

俺に強さを教えてくれたその人の名は



伊東 司






______
___



『ねぇ、これなに?』


「んー?なに…

あ」


俺が持っていたモノを見た瞬間、

そいつの動きが止まった


『いとうk…「わーわーわーわー!!!」…わっかりやすっ』





『で、なに?』


「……君にとって、いい話じゃあないよ」


『いいよ、それでも

お前のことだから、聞く』


「!

………僕はね、いや、僕もね、

逃げてきたんだ」


少し間を置いて、言った


「…マフィアから」

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GAIRU(プロフ) - makiさん» 一年越しのコメント返信になってしまいました…ご指摘、感想ありがとうございます…!とっても嬉しいです(泣) (2020年4月19日 14時) (レス) id: 11eff8c56b (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - 突然の指摘と突然のコメント失礼致しました! (2019年4月1日 21時) (レス) id: db7ab848e3 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - 初コメ失礼致します!あの、Luzじゃなくて、luzだと思います…小説用で変えていらしたら申し訳ありません…少し気になりましたので、、この小説個人的にすごく好きです!(( これからも頑張ってください!応援してます! (2019年4月1日 21時) (レス) id: db7ab848e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:GAIRU | 作成日時:2017年11月27日 17時

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