複雑会議室【歌い手】

5.犯行 ページ16

．


*浦田side



坂田「なんか今回俺達怪盗みたいやね」


志麻「まぁ人も殺しちゃうけどネ〜」


今晩、俺らは盗みと殺しを犯す。


それは、悪意あってするものじゃなく、

マフィアなんて名乗ってるわりに

“正義感”みたいなものが燃えていて

悪党をやっつけるヒーローを気取った、

悪意より善意に満ちたものだ。


まぁ犯罪であることには間違いないけど


雷人「元の持ち主は何処に居るんですっけ？」


『今は、スラムだ』


スラムというのは今回のターゲット、

絵画を盗んだ組織の管理下で

「身寄りのなくなった者や連れ去った者を売れる状態で保存しておく場所」

とされている倉庫だ


雷人「おぉ、堕ちましたねぇ」


『…うん。

でも、今日で終わりだろうな』


スラムの奴らの生活も、組織も。


坂田「お、ヒーローの顔してまっせ リーダー」


志麻「三枚も取られてしもたら痛いなー

しかもあの時、何人か殺られたんでしたっけ...」



そんな会話を交わしながら、

俺はある資料に目を向けていた。


坂田「ん？うらたさんそれ、あまちゅ？」


雷人「えらい可愛いあだ名やねw」


『あぁ。最近会議組(あいつら)と接触があったらしい』


坂田「へー…目的は？」


『そこまではわからん』


ただ、


『接触したのはコイツだけらしい』


(ﾄｽｯ


壁に貼ってある写真の一枚を的確に狙い、

俺はダーツの矢を刺した


『A…一応気をつけとけよ』


「「「了解」」」


「＿＿＿＿＿、…」


『ん？誰か何か言った？』


坂田「んー？誰も何も言うてないよ？

うらさんおつかれ？」


『俺の体力なめんな』

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