Geranium (ページ3)

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「辰哉くん？大丈夫？」

突然飲むのもやめてフリーズした彼

ソファーに二人並んで飲むのが私たちの定位置だから

このままじゃ彼の顔は見えなくて

「どうしたの」

顔を覗き込むように正面に移動してみると
さっきまでの酔って楽しそうにしていた彼とは違う

どこか真剣な顔をしていて

辰「A」

「ん？」

辰「俺たち、デビュー決まった」

「っへ！なんでそれ早く言ってくれなかったの？お祝いしないと！おめでとう！」

辰「それでさ、」

いつもの定位置に私を座らせて
真剣な目でまっすぐ私を見る彼から

ああ、きっと私はもういらなくなったんだ
もう会えなくなるんだそう察した

「いいよ、辰哉くんの夢邪魔したくない」

辰「今まで、俺が欲しいときばっか満たしてもらって、Aの好きなこと全然できてないし
　ほんとにこれは申し訳ないと思ってる、でも
　誰かに告白されても他の奴の惚気聞いても全部Aにつなげてる自分がいて
　俺にとって大事って今更気づいたの」

「、、」

辰「だからこの関係終わりにしよう？」

「うん、辰哉くんの夢邪魔したくないもん、私も」

辰「」

＊