短刀、企む ページ6
『え、万屋?』
「は⋯はい⋯お客様へのご案内も含めて⋯。あるじさま、最近おつかれですし⋯息抜きに⋯す、すみません⋯!ぐすっ」
『泣かないの、五虎退。⋯うーん、じゃあ五虎退も一緒に行く?』
「!い、いえ⋯!僕は本丸に、います⋯」
一期との騒動も落ち着き、真冬さんと彼方さんがわくわくしながら彼らの自室となる部屋へ行き落ち着いた頃。私の部屋に五虎退が尋ねてきた。いつもは誰か他の刀と一緒だったのだが今回は一振りで来たので少し驚いた。
いつもよりオドオドとした様子の彼は、真冬さんと彼方さんと三人で万屋へ行ってはどうかと提案をしてきた。私の息抜きも兼ねているらしいのだが、三人で、というのが気になった。万屋へ行く時はいつも近侍だったり短刀と行っていたからだ。
『⋯⋯分かった、行ってくるよ。』
「!ほ、本当ですか⋯!?ごゆっくりどうぞ⋯!」
『うん、ありがとうね。じゃあ二人に声を掛けてくるよ。行ってきます。』
「お気をつけて⋯!」
恐らく他の短刀か誰かに何か言われたのだろう。深く考えないようにした。妙にホッとした様子の五虎退に見送られ、私は部屋を出た。
「へー、こんな所もあるんだ。」
「時代劇みたいですね!」
『あ、あそこで二人の日用品買おうか。』
「あ!僕ら自分で出しま⋯」
『出せるの?』
持ち物はスマホだけだと言う彼らが払えるはずもなく。ある程度の物を購入し面倒なので本丸へ送ってもらうように万屋で手配をしておいた。
〜〜♪〜〜♪
『もしもし、どうしたの安定?』
「主、まだ帰ってこないよね?まだダメだよ?」
『は?もう帰ろうかと⋯』
「え、まだダメ⋯\ガッシャーン!/ちょっと和泉守何してんの!ブツッ!ツー、ツー、ツー、」
安定から電話が来たので出たらまだダメだと言われ、結果的には和泉守が何かやらかしたようです。怖いのでまだ帰らない事にします。
『えー、二人の日用品買ったし⋯見る物無い⋯』
「Aは無いの?見たい物。」
『い、いや⋯私は⋯』
「そういえばAの部屋にネイルグッズ沢山あったよね!好きなんでしょ?見ようよ!」
「そういえばあったな。」
『えー、二人ともつまらないと思うけど⋯。』
「息抜きも兼ねてるんでしょ。」
「僕達の事は気にしないで!」
『⋯ありがとう。』
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作者名:もへ | 作成日時:2019年2月11日 15時