ノートン2 ページ3
彼はニコリと微笑み私に背中を向けて作業に戻った
私がその場に呆然と立ちつくしていると
彼は手袋の上に付けていた腕時計を見て時間を確認した。
そして一言、「おやつにしようかな」
「じゃ、じゃぁ外でお茶しなませんか！その、皆さんで…！」
私はテレテレと両手を両頬にあてた
そんなことはやったことがない、きっと楽しいお茶会になるだろうと思った
けど、
「ううん、コレ一緒に食べよう」
2人で
その言葉にまた心臓が跳ね上がる
何気ない言葉なんだろうけど急に言われるとは思わなかった
「君を見て思ったんだけど、こんな所に1人で来るってことは好奇心旺盛なんだね」
ノートンは腰を下ろし
隣を指差し此処においでとしめした
勿論私は土の上に座ることやワンピースを汚すことなんて気にしない性格ではあったのだけど、、、
隣って！隣だよ！？
無理無理無理！
あの、イヤって意味じゃなくて、
「…えぇっと、」
泳ぎまくる目！
そんな私にノートンさんはクスクスと笑っている
頬がカァァアと熱くなる
「まぁいいよその場で、近い方が話しやすいと思ってね。だって君声が小さいんだもん」
「なっ、」
「いただきまーす」
「………」
「あ、美味しいね」
「……ノートンさん」
「ん？」
「名前、忘れちゃいましたか？」
「いや、」
「…呼んでください」
「なんで？」
「君、君言われるのはなんだかイヤなんです」
するとまた彼は笑って
「…いいよ」と答えた
この時初めて彼の口から私の名前が出た
「A」
なるほど、彼はからかい上手なんだな
好奇心旺盛なAなもっと彼のことが知りたくなった
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作者名：ネコロンダ | 作成日時：2019年10月5日 2時
