【クリスマスの夜に】1 ページ28
『はぁ……さむ』
街はカップルだらけ。
手を繋いで、ゆっくりイルミネーションなんて見て歩くものだから。
私の行く手を阻んで、通行の邪魔をする。
『わ、見て！』
『すげぇキレイ^^』
イルミネーションはさ、大好きな人と一緒に見るからキレイなんだよ。
イルミネーションとカップルたちを横目に。
一人で通りすぎる私には、ただの光の集合体でしかない。
うそ。
ここにひょくちゃんがいたら。
それだけで、辺りは特別な景色に見えるはずなのに。
ひょくちゃん。
なんで、いないの……？
昨日のクリスマスイブは、お仕事で。
どんへとレコーディングだって言ってた。
インスタに上がった二人の動画は楽しそうで。
ひょくちゃんとあまりにも仲良しなどんへに嫉妬したことなんて、もう数えきれないほど。
それでも、今日のクリスマスは、夕方には会えるって言ってたのに。
ひょくちゃんは、ショコラボンボンで愛するペンちゃんたちと会ってる。
もちろん、私は後回し。
だけどさ、連絡ぐらいくれてもよくない？
Twitterで知るほど、悲しいことないのに。
もう、泣いたらいいのか怒ったらいいのかわからない。
なのに、街には幸せそうなカップルばっかりで。
クリスマスを彩るアイテムで溢れてて。
こんなことなら、ひょくちゃんを優先しないで、友達と会ってれば良かった。
一人でとぼとぼ歩く家までの道のりは、寒さがしみて。
ひょくちゃんに会えないからなのか、寒さのせいかわからないけど、涙が出てくる。
もうすぐ家に着こうかという時。
入口にうずくまる人の影。
え、怖……
そのまま、一度家を通りすぎようとしたら。
『…っくっしゅん！』
『ひょくちゃん！？』
『A、おかえり！^^』
寒さでトナカイみたいに鼻が真っ赤になったひょくちゃんがいた。
『なんでここにいるの？こんなに寒いのに……風邪ひいちゃう！』
『へへっ(笑) ボンボン終わってから、すぐ来たんだよ。早くAに会いたかったから』
『ひょくちゃんのパボ……』
私だって会いたかったんだから。
ずっとずーっと。
ひょくちゃんにフードをかぶせて。
すぐにエレベーターに乗って、目的階のボタンを押す。
繋いだ手は、とても冷たい。
ひょくちゃんに話しかけられても、聞こえないフリ。
感じ悪いかもしれないけど、泣きそうなの我慢してるから。
だからひょくちゃん、ちょっと待って。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 230人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もぐもぐ(プロフ) - gongさん» あんにょーん！実はかなり前から拗ねるみんくんのお話を書きたくて、我慢できなくなるまで長い間温めてたのf(^^; いいねぇ♪ヴァンパイアみんくんの俺様な感じでも書いてみたい(*^^*) コメありがとう(*´∇｀*) (2014年8月24日 12時) (
レス) id: 9f994856f8 (このIDを非表示/違反報告)
gong(プロフ) - ムフ。ヴァンパイアのソンミンに触発されたか！？ドラキュラ伯爵にお仕置きされたいわねぇ(笑) (2014年8月21日 23時) (レス) id: d05dab4ebc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もぐもぐ
| 作成日時：2014年8月21日 10時
