お隣りさんちのヒョクチェくん4

期待するのも、落ち込むのも ページ19

ｷｭﾋｮﾝ『ねぇ。さっきウニョギヒョンがなんで怒ったのか、知ってる？』

前を向いて運転するキュヒョンと、ミラー越しに目が合う。

A『なんでって……ドッキリで騙されたからでしょ？』

ｷｭﾋｮﾝ『……それ、本気で言ってる？』

はぁ………
キュヒョンは、呆れたようにため息をついた。


ｷｭﾋｮﾝ『鈍感』

A『……言わないで』

ｷｭﾋｮﾝ『え？』

A『言わないで、そういうこと。そんなんじゃないから』


今まで、もしかして？って思うこともあった。
もしかして、ヒョクも私のこと。
好きでいてくれてるんじゃないかって。
妹としてじゃなく、女として見てくれてるんじゃないかって。

でもその度に、私の思い違いだって気づかされた。

期待した分だけ、悲しくなって。

だからもう、信じない。
変な期待もしたくない。

期待するのも、落ち込むのも。
全部、私が勝手にやってることなんだから。


A『私とヒョクはただの幼なじみだよ』

ｷｭﾋｮﾝ『本当はそんなこと、思ってないくせに。好きなんでしょ？ウニョギヒョンのこと』

A『違うよ。キュヒョンの勘違いじゃない？』

ｷｭﾋｮﾝ『嘘つき。言わないから、僕には嘘つかなくていいよ』


優しく言い当てられて、体の力が抜ける。
もう誤魔化せないなら、嘘つく必要もないよね。

A『なんで……3回しか会ってないキュヒョンでもわかるのに、ヒョクはわからないのかな？(笑)』

ｷｭﾋｮﾝ『………見てればわかるよ』

A『ヒョクは……優しいから。誰にでも優しいから』

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