昨日までと、違う恋（hk×in）

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この際薮がいてもどーでもいいや。
とにかくかっこいい光に会いたいし、おれを売り込んでおくことが最優先事項だから。
そう思ってうきうきで待ち合わせの場所に向かった。


「ひかるー！」

「あっ、いのちゃーん。」


遠目からみてもかっこいいっ。ひとりだけ輝いてるもんっ！
キュンキュンしながら光に駆け寄る。


「ごめん、待たせちゃった？」

「ううん、全然待ってないよ。おれが早く着きすぎちゃったしね。」


待ち合わせに遅刻しない…ここもポイントアップ。


「…あれ、薮は？」

すっかり光に夢中になっていたけど、口うるさい悪友がいないことに気づく。

「あ、薮ね、急にゼミの打ち合わせが入ったみたいで今日はパスだって。おれとふたりだけどいい？」


ぅおっしゃあああああああ！！


デートきた！！

神様はどこまでもおれの味方みたいだ。そしてありがとう、薮(もともと邪魔だったけどね)。



「もちろん！最初はふたりの予定だったんだし！ね、ひかる、なに食べたい？」

「んー、おれはなんでもいいよ？好き嫌いないし…。てかさ、なんか…人すごく多くない？」


光に言われて周りをみると、いつもでは考えられないような人の多さ。
駅もお店も人であふれかえっている。おれはとにかく光に会えるのが楽しみすぎて周りの人の多さなんて気にならなかったけどね。


「ほんとだ…なんでだろ…あ！思い出した！今日、アリーナでアイドルのコンサートがあるんだよ！だからじゃないかな？」

「あーそういやテレビでやってたなぁ。でもこの人の多さじゃ…どこ行こうかなぁ…」


確かにこの状況ではどこも人でごった返していて、身動きを取るのも大変そう…。


「あっ！」


これからの行動を考えていると、光が思いついたように声を上げた。


「いのちゃんさえよかったら、おれんち来ない？」

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