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「こっち。」
初めて入ったコンサートの裏側は、たくさんの人がいてバタバタとしていた。
光に手をひかれてその人波をかき分けてぐんぐんと進む。光の表情が見えないから不安だけど、中に入れてくれたってことは話を聞いてくれる気はあるみたいだ。
倉庫のような部屋に入って、ようやく光が振り向いた。
光の顔、久しぶりに見る。
アンコール終わりのツアーTシャツとジーンズという恰好。綺麗にセットされた髪。汗さえキラキラしている。
あらためて自覚する、アイドルの光。こんな風に並ぶと嫌でも自分との差を感じてしまう。
でも。
「光。おれ、どうしても言いたいことがあってきたの。」
もう迷わない。
「この間はごめん。光の話も聞かないで…自分が傷つくことが怖くて、光を傷つけた。本当にごめんなさい。
光はいつも本気でおれに気持ちをぶつけてくれたのに。
おれ、怖かった。自分が釣り合わないから。
いつか光はおれのそばからいなくなっちゃうって。
だから…光の気持ちから逃げて、自分を守ってばかりで。」
体が震える。
気持ちを伝えることがこんなに怖いなんて。
光もこんな気持ちで一生懸命伝えてくれたのかな。
「…いのちゃん。」
「この前、おれ言ったよね。光とは生きる世界が違うって。」
泣いたらダメ。そう思っていたのに。
重力に逆らうように、こらえていた涙が零れおちた。
「でもおれね、アイドルの光、好きなんだよ。
おれと一緒に飯食ってる光も好き。
電話で話してくれる光も好き。
一緒にバカな話で笑ってくれる光も好き。
光のぜんぶが、大好きなんだ。
だから…住む世界が違っても、大好きっ…。」
そこまでしか言えなかった。光に抱きしめられていたから。
「…ひかる。」
「…ずるいよ、おれの言いたいこと全部言わないで。」
耳元で聞こえる声は涙声で。
「ひかる…泣いてるの…？」
「…泣かせるようなこと、言うからじゃん。」
その声に その体温に おれの涙もあふれて止まらないくて。
ゆっくりと光の首に腕をまわして。
このまま時が止まってくれたらいいのに。いつまでもこうして抱き合っていたい。
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Riona(プロフ) - かんなさん» わー！コメントありがとうございます(;O;)ほんとに遠回りばっかりしちゃって…それもこれもいのちゃんが素直じゃないからなのですが…そんなところも可愛い、ということで（笑）次回作もなんとなーく考えているので、気が向いたらぜひ！かんなさんの作品も楽しみです♪ (2017年9月1日 21時) (
レス) id: 2d2edf6d1a (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 完結おめでとうございます＼(^o^)／二人が幸せになれて安心しました！押せ押せな格好良い光くんと、ちょっと面倒くさい感じの伊野尾くん好きです…(*´ω｀*)ひかいの特有の優しい雰囲気が感じられて幸せでした！Rionaさんの次回作も楽しみにしてます(o・ω・o) (2017年8月29日 23時) (レス) id: f188ee2595 (このIDを非表示/違反報告)
Riona(プロフ) - 神楽さん» 神楽さま！私、神楽さまの大人っぽい作品が大好きで、コメントをいただけて本当に嬉しいです(;O;)むずキュン！そんな風に言っていただけるとは！個人的にくっつくまでの過程が大好物でして…もうしばらくむずむずするかと（笑）お時間あればぜひ覗いてください(^^） (2017年8月22日 21時) (レス) id: 9c7aa86813 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - 初めまして！Riona様の書かれるむずキュンなひかいのが大好きな神楽です。なかなか友達から進展しない二人にむずむず。誕生日のサプライズにキュンキュン。二人の織り成すこれからを、楽しみにしております。うふふ (2017年8月22日 4時) (レス) id: d1428fae49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Riona | 作成日時：2017年7月4日 0時
