Be My Lover！（hk×in）

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あの日から、おれの日常から光を消した。
光との思い出も、それに浮かれてた自分も。

全部消してしまいたかった。

メッセージを消して。生まれて初めて着信拒否を設定して。

別になんてことないよ。光に会う前の日常に戻っただけ。



そんなある日、ある人から連絡が来た。

「いのちゃん！」

「…大ちゃん。」

ほんの少しだけでも会いたいと言われ、大学の近くの古い喫茶店で会うことになった。

「…久しぶり。」

「ほ、ほんと久しぶりだよね！1ヵ月ぶりくらいかなぁ？！元気してた？」

大ちゃんが、無理して明るくふるまっているのがわかるけど、この日ばかりは言葉が出てこなくてしばらく沈黙がながれた。

「…っ、いのちゃん、本当にごめんなさい！！」

そう言って大ちゃんは、深く頭を下げた。

「こないだおれが言ったこと。いのちゃんのこと都合のいい人みたいな言い方したでしょ？
なんていうか…あれには全く悪気はなくて…ほんとにその場の冗談のつもりで…。でも、あんな言い方されたら傷つくよね…。本当にごめんなさい。
全部おれのせいなんだ。光くんは話を合わせただけで…だからお願い、光くんと仲直りしてあげてください。」

「…大ちゃん、顔あげて。おれ、全然怒ってないから。」

「…ホントに…？じゃあ光くんと…」

「ごめん、おれもう光とは会わない。」

「どうして！？あれから光くん、ホントに元気なくて…。おれが言うことじゃないかもしれないけど、光くんはいのちゃんのこと真剣に考えてるよ。だから話だけでも聞いて…」


「大ちゃん、おれ気付いたんだ。光とは住む世界が違うんだって。」

「え？」

「この間のことは…確かにそのときは少しショックだったけど、落ち着いて考えたら冗談で言ったことかもってわかったし…別にそのことはいいの。
でも、それで目が覚めた。光の隣にはもっとふさわしい人がいる。光がなにを言ってくれても、この気持ちは消えない。だから…もう会わない。」



「…そっか！それならしょうがないね！」

さっきまでとは打って変わって、明るく笑顔で言う大ちゃんに戸惑ってしまう。

「いのちゃんがそう思うなら、おれにはどうしようもないよ。…光くんが直接伝えた言葉よりも、立場を気にするって言うなら。」

「…大ちゃん。」

「確かにおれたちが特殊な仕事してる自覚はある。

でも、大切な人への気持ちはみんな一緒だよ。好きな人への気持ちも。

…いのちゃんなら、わかってくれると思ったけど。

残念だよ。」

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