_ ページ18
「もしもし？」
「電話や珍しいやん、なんかあった？」
少し低くて心地良い彼の声が耳元で聞こえる。
そりゃそうだ、この数ヶ月間会うときに必要最低限のLINEを交わすのみで電話なんてしたこともなかったのだから。
困ったな、勢いで掛けたものの特に用事があるわけじゃないし。何と言えばいいのか分からず黙り込んでいるわたしに Aちゃん外おんの？ と彼が続ける。
「そー！ちょっとお酒飲んでて間違えてかけちゃったみたい！ごめんね、おやすみ！」
そう電話を切ろうとすると
「すぐ行くから、そっから動いたあかんで」
と一方的に切られる電話。
動くな、と言われたわたしはどうしていいかもわからず駅のベンチに腰を下ろしていた。
電話が切れ10分ほど経った頃 引きこもりに走らすなって、と目の前には肩で息をする彼。
「なんで・・・？」
「当たり前やろ、こんな時間に女の子1人で何考えてねん」
「若くて可愛い女の子でもないんやから」
ありがとうの一言も言えず可愛げのない言葉を返す自分に嫌気がさす。
「何言うてんねん、じゅーぶん可愛いわ」
大きな手が頭に置かれ下りていた視線を彼へと向ける。
「そんで何があったん、おにーさんが全部聞いたるわ」
そうあまりにも優しい声で、優しい笑顔でわたしを見つめる彼に目頭が熱くなるのを感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 792人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mog(プロフ) - さんさん» コメントありがとうございます！お褒めの言葉だけでなく、お気遣いもしていただいて嬉しい限りです（ ; ; ）♡ これからもマイペースに更新していくのでぜひお願いします♩ (12月29日 10時) (
レス) id: 9a31e26952 (このIDを非表示/違反報告)
さん - この設定めちゃくちゃわくわくします！！続きとっても気になります〜！更新ものすごく楽しみですがたかお身体ご自愛ください！ (12月28日 21時) (レス) @page9 id: cfa21872f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mog | 作成日時：2023年12月27日 17時
