お隣りさんちのヒョクチェくん

ファーストキス ページ13

ﾋｮｸ『ははっ！何言ってんの？(笑)ビックリさせんなよ〜！』

『ヒョク、ちゃんと聞いて』

ﾋｮｸ『悪い冗談、やめろよ(笑)』

『私が言ってること、信じられない……？』


声が、震える。


ﾋｮｸ『あのさ、Aはあんまり知らないだろうけど、アイツは、そんな浮気とかできる子じゃないんだよ』

『でも、ほんとに見たんだよ……？』

ﾋｮｸ『じゃあ、見間違いじゃない？』



なに、それ？

彼女のことは信じるくせに。
私のことは信じてくれないの？


『なんで、信じてくれないの！？』

思わず、声を荒げてしまう。


ﾋｮｸ『なんだよ、そんな怒らなくてもいいだろ？』


『ヒョクのバカ！！』


悔しくて、悲しくて。

堪えてた涙が、とめどなく零れる。


『ヒョクなんて、ずっと騙されてればいいよ！！』

ﾋｮｸ『な、泣くことないだろ！？どうしたんだよ？』

急に慌て始めたヒョク。


ﾋｮｸ『あっ！最近構ってやれなかったから、寂しくて嘘ついたんだろ？ごめんな…？』



見当違いのことを言って謝る、鈍感なヒョクに、無性に腹が立った。



私は、ヒョクの胸ぐらを掴んで。

一瞬で、唇を奪った。

甘くもなんともない、怒りと涙のキス。




ヒョクのこと、あんなに心配して、悩んでいたのに。

ほんと、バカみたい！！



『ヒョクなんて、大嫌い！！！』


そう言い残し、私はヒョクの部屋を出て行った。







これが、私のファーストキス。


こうして、私たちは別れた。

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